花見弁当

吉祥寺 井の頭恩賜公園にて

今年の桜の開花は例年になく遅れている。天気も良好の4月10日、幾年かぶりで吉祥寺に花見に出かけることにした。

前日19時前に、食に独特のこだわりを持つ連れと待ち合わせ、食材を買い求めた。この季節に外せない筍御飯は、鶏肉や油揚、人参、蒟蒻など定番の具を考えていたが、連れは貝柱に目をとめこれを入れようと言う。筍と合わせるのは初めてだが、生姜と一緒に炊き込んでみようか。

当日は代休を取り、朝から調理をはじめる。

さてまずは豚汁から、牛蒡をささがきに、人参、大根はイチョウ切り、蒟蒻はあく抜きして短冊に切り、葱は小口切り、豆腐は賽の目、豚肉は一口大よりやや小さめ。細い保温ボトルに入れるため、具はいずれも通常よりも一回り小さめである。

炊込御飯の具となる筍、生姜はほぐした貝柱と形をあわせ千切りにした。お次はマッシュポテト、じゃがいもを小さく切って火にかけておく。茄子とピーマン、軽く茹でた春菊を切ればこれで下準備は良し。

火元に移り、出汁巻卵は早めに作って簾で巻いておこう。茄子のポン酢煮にシラスピーマン、豚ロースの生姜焼きを仕上げる。春菊の和え物とサラダは最後の最後に。

 

 

久しぶりに鎌倉彫の二段重箱を取り出し、連れの好物をぎっしりと詰め込む。

一段目、手前から茄子のポン酢煮、胡瓜とトマトのサラダ、マッシュポテト、肩ロースの生姜焼。二段目は貝柱と筍御飯に塩ラッキョウ、シラスピーマンの中華炒め、出汁巻卵、貝柱と春菊の甘酢和え。そして豚汁は欠かせない。

 

優雅な花見になるよう、敷物に重箱、塗の御椀と御盆、ワイングラスを荷造りして家を出る。連れとは吉祥寺駅公園改札で3時に待ち合わせた。駅ビルでアルコールを買い込み、井の頭恩賜公園へ向かう。

満開は少し過ぎたか。平日であっても公園は大勢の人が行き交い賑やかである。犬を散歩させる近隣の人々、そして海外旅行者は撮影に余念がない。

弁当を広げ、スパーリングワイン、ビール、日本酒と飲み継ぐ。お昼ご飯に一通り味見をした私の分も連れがパクパクと食べてくれた。

しかし道行く人に気が取られる落ち着かない花見であった。


片づけを済ませ、背負う荷物は大分軽くなった。連れと公園をゆっくりと歩く。風に舞う花びら、今年の花見も終わりである。

春の宴

実家にて

3月24日、姪の友人5名が昼過ぎに実家に到着した。

なかでも姪の一番の友人はおめでたで、産後はオーストラリアに移住するそうだ。お祝いと送別を春の陽が彩る、女子のみ参加の宴の開幕。

ウェルカムドリンクはシャンパン。姪と鼻歌交じりで作った前菜をおともに庭のテーブルでふるまう。庭の奥の枝垂れ桜はまだ五分咲き程度だ。

  • 突出し 胡麻豆腐、菜の花を添えて
  • 向う付 鯛のコブ〆
  • 煮物椀 海老真丈、人参・結び三葉
  • 焼 物 ミートローフのフルーツソース、アリゴ・焼き筍を添えて

進肴 

  • 蛸とセロリの甘酢和え 
  • ホタテ貝柱と大葉のフライ

 

  • 香物等 蒲鉾(箱根土岩製)山葵塩・芥子菜の即席漬
  • 飯   山菜と朝掘り筍のおこわ
  • 汁   蕪 白味噌仕立て

まだまだ桜の蕾は固く、吹く風にも冷たさが残る。室内を季節の花で飾った。早咲きの桜、名残の椿。