ANAホリディ・インリゾート信濃大町くろよん

信濃大町にて

数年前まで毎夏、訪ねていた「くろよんロイヤルホテル」はリーガロイヤルホテルからANAホリディ・インの系列に変わり「ANAホリディ・インリゾート信濃大町くろよん」と改称し、2020年7月にリニューアルオープンした。

コロナ禍もあり足を運べなかったが、大型連休の前日に予約サイトを検索してみた。連休中はほぼ満室であったものの、連れが電話を入れると翌日の宿泊が可能だと言う。

この機会を逃さじと4月29日、未指定券を握り新宿駅8時発のあずさに乗車、空席をはしごしながら信濃大町へ向かった。この日、北アルプスの峰々は厚い雲におおわれ、車中からの眺めはお預けであった。

11時過ぎに信濃大町に到着し、街を散策する。2、3の小さな食堂の前を「この食堂に入ったことがあるね」などと連れと話しながら通りすぎる。

また、過去に入店した日本酒に詳しい老齢の男が経営する酒屋は店じまいをしており、もう一軒のユニークな男が店番をしていた酒屋は営業中であったが、彼がいるのかはわからなかった。駅の近くには大きなビジネスホテルが建ち、コロナ禍を挟み久しぶりに訪れたこの街の様相は少なからず変わったようである。

ある中華料理店の前で、何組かの家族がたむろしており、並ぶほど美味い店かと我々も予約帳に名前を書き込み店前で待機した。昔からある店らしいが、店舗はリノベーションされてモダンで清潔な印象である。

席に着いてメニューを見、まずはその安さに驚いた。料理が運ばれてくると今度は量にビックリ。さぞかし若い世代には人気があるのだろうと店内を見渡せば、中高年が陣取るテーブルには皿がいっぱいに並んでいる。数年前に入ったソースかつ丼の店も2人前もあろう大盛で驚いたことがあったが、その店の客層は合宿中の学生らであったので納得した。今回は厳冬期を乗り切るため住人らは高カロリーが必要なのかと、連れと冗談交じりに話したものだ。

https://izaatsuyoshi.hatenablog.com/entry/20170814/1502676157

さて、昼食を終え「ANAホリディ・インリゾート信濃大町くろよん」の送迎のバスに乗り込む。ホテルの外観はさほど変わらないが、エントランスはスタイリッシュに変貌していた。

温泉に浸かり部屋で休んだあと、レストランに向かう。サイトで予約した夕・朝食付きのプランはバイキングであったが、値段は変わるもののコース料理に変更できるという。メニューの説明を受け、夕食は料理を楽しみながらワインを味わおうとコース料理に変更した。肉料理は3品あり、連れはイチボ肉のステーキ、私は牛ほほ肉のワイン煮を選んだ。


メニュー

  • 長野県産アスパラの春巻き(生ハム・モッツアレラ・アンチョビ・バジル)
  • 玉葱のパンナコッタ(信州サーモン・玉葱のピクルス・キャビア


  • キャベツのスープ(ベーコンパウダー・燻製ミルクのフォーム)
  • 鰆のソテー クレソンとアサリのスープ


  • 信州アルプス牛イチボ肉のステーキ


  • 国産牛ほほ肉のワイン煮


  • ペストリーからのデザート(フキノトウのアイスクリーム・イチゴほか)

盛り付けは美しいが、我々には味が濃く量も多かった。スタッフのサービスは良かったが、ロイヤルホテル時代に吉兆の料理を味わっていた我々には少なからず寂しさがよぎる。次に来る機会があればバイキングで十分だろうと連れと話した。

翌日は晴天、大糸線の車中から北アルプス山容を撮影。

松本に立ち寄り、幾年ぶりかで駅の近くの和利館(郷土料理・手打ち蕎麦居酒屋)に入る。古民家風の店舗は変わらず蕎麦も上手かったが、客が少ない。以前はいつも満席であったのに、コロナ禍による客離れであろうか。

連れが清算をしながら「剣岳穂高山行の帰りによく寄らせていただきましたよ」と声をかけると、若い女性が店の外まで出て「美味しい馬刺しを用意しておくのでまた来てください」と送り出してくれた。

特急あずさに乗り帰京する。