茶友を招く

実家にて

5月5日午後1時半、ゴールデンウィーク恒例の茶花探索に、5人の茶友が訪れる。

この日の朝、今年初めての日光キスゲが咲いたと母。

ロウバイも開花。

今年はエビネが元気だという。

鎌倉の数寄者にいただいたイワタバコは、春の霜にあたり葉が黒く変色してしまったが、どうやら持ち直してきたようだ。茶友たちに株分けするには、もう1年か2年。

シライトソウは今年お譲りできるまで増えたと母が嬉しそうに語る。ニホンサクラソウは差し上げるにはもう少し株を増やしてから。

クマガイソウ、ヤブレガサ、ダイコンソウ、シャガ、オドリコソウ、絶滅危惧種のチョウジソウは自然林の中にあるようにそれぞれ心地よい場所で群生している。母自慢のクマガイソウが見頃を過ぎてしまったのは残念である。

オキナグサはすっかり翁の風情、取り置いた種を差し上げる。

鉢植えのタイツリソウはいまが盛り。

今、一番の母のお気に入りのチゴユリ、小さな愛らしい花。

この他、山椒など実生から育った苗木の所望あり。自生する独活の芽を摘みながら「てんぷらにするとタラの芽より美味しい」との声があがる。妹持参の筍もあり「今夜の献立は決まり!」と茶友たちが笑う。

コロナ禍で茶事を見送らなければならない昨今、庭でのティータイムはいやしのひとときである。手土産の柏餅を皆で頬張る。

風薫る5月とはよくぞ言ったもの。心地よい一日であった。