日帰り温泉を楽しむ

箱根湯本にて

三連休の初日(9月23日)、箱根に向かった。残念ながら、連れも私も週末に仕事があり日帰りとなった。連れはスパークリングワインとビールを、私は弁当とワイングラスを携え新宿駅からロマンスカーに乗り込んだ。

弁当の菜はシラス入出汁巻玉子、薩摩揚と甘長唐辛子の炙り、蓮根のきんぴら、蛸とピーマンの生姜醤油炒め。飯は梅干しにちりめん山椒と塩昆布をふりかけ、味噌汁の具は茄子に冥加と、連れの好物をそろえた。

スパークリングワインを飲みつつ、菜はいつの間にかなくなった。最後に連れは「うまい!うまい!」と飯を平らげ、味噌汁を椀に注ぐと一気に飲み干した。

以前、野菜の和え物から汁が出て重箱の周りがベタベタになったことがあった。持ち歩いている間に傾いたのだろうが、それからは汁が出ないように料理を工夫し、かつすべての菜が冷めてから詰めるようにしている。この弁当にも蛸とピーマンの炒めものの下には少量のスパゲティが敷いてある。しかしラップで防御する癖がついてしまった。画像を見るとみっともないと思う。次回はラップはなしとしよう。

 

 

箱根に到着すると小雨。それでも駅近辺の店先にはたくさんの人が並んでいる。三連休の初日につき、行きつけのホテルも満室だそうである。

ひと風呂を浴びてステーキハウスで食事をとる。連れが「前より肉の質がおちたね。」と小さな声で言う。コロナ禍で経営も難しくなっているのだろう。

食後、ロビーでゆっくりとコーヒーを飲みながら、雨にけぶる窓外を眺める。そして再び湯に浸かり、露天に降る雨を眺める。

 

 

ホテルを出て、箱根見番脇を通るとパワフルな歌声と演奏が聞こえてきた。この日の「ふらっと芸者」には芸者バンドが出演。連れは袖を引かれたようだが、すでに始まっており、次回の楽しみとした。

帰途の車中で連れが言った。「これからステーキは家で食べよう」「うんうん、それがいいね!」

そして続けて言ったものだ。「薩摩揚は買ったものだろ? あれはやめよう。旅先では懐石弁当で完結だ!」「えっ?カイセキベントウ?」うまいと言われれば嬉しいが、手抜きなしの懐石弁当とは、これはまた難しい宿題が出たものである。