10月の庭

実家にて

6日間の出張が終わった。眠れない夜にさよならを告げ、深呼吸して緑を満喫する。

野草園では、季節ごとに主役が変わる。今はミカエリソウ(見返草)が君臨。毎年のことながら花房が巨大な虫に見えてしまい、虫によわい私はぞわぞわしてしまう。

キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑)  。

母は鉢植えにし、日々、置き場所をかえて楽しんでいるようだ。

シモバシラの清楚な白い花。真冬は株周りに霜柱が形成される不思議な植物である。

夕刻、行灯仕立ての夕顔が、七つの花を咲かせた。咲きかけの花に息を吹きかけると、一気に花弁を広げていく。

10月になって朝晩の気温が下がるなか、いくつものつぼみが顔をのぞかせている。大きなつぼみを指さし「これは明日咲くわね。」と母が言う。

ススキの根元にナンバンキセルの花が咲いていた。撮影するのを忘れてしまい残念である。

夕陽がコブシや枝垂れ桜のシルエットを浮かび上がらせる。

日が落ちて、夕顔の鉢を家の中に迎え入れた。部屋の中にしずしずと甘い香りが漂ってくる。