いつもと同じあれこれ

箱根湯本にて

2月17日、ところにより降雪の天気予報。12時20分発のロマンスカーにて箱根に向かう。

携えた弁当箱には連れの好物をぎっしりと詰め込む。出汁巻卵に豚ロースの生姜焼、ほうれん草の中華風、鯵のハンペンに蛸ピーマン。鶏と油揚、舞茸、牛蒡の炊き込みご飯にゆかりをかけて、そして豚汁(ほうれん草入り)と相も変わらずの献立。

さて、連れが買い込んだアルコールはサッポロビールとスパークリングワインのハーフボトル、日本酒の小瓶とこちらもいつもと同様のラインナップ。

発車のベルが鳴る前に小さなテーブルに弁当を広げる。ワイングラスにビールを注いで乾杯だ。横を見ればいつもと変わらぬ連れの満足そうな顔。

箱根湯本に降り立つと、冷たい外気が頬を刺した。箱根の山から下りてくる車の屋根にはうっすらと雪が被っていた。

ひと風呂浴びて、松永耳庵所縁の蕎麦屋「はつ花」に向かう。常に満員の人気の店だが、夕刻4時頃は待たずとも入れる。まずは山菜と自然薯山かけをつまみに熱燗を一杯、湯上りの至高のひとときである。

連れはこの店のカレー南蛮蕎麦が大の好物、これがいつもの〆の一品。

さて、ひとつだけいつもと違うものがあった。それは山菜の小鉢を彩る新鮮なこごみだ。寒空にも春を感じさせる。

箱根湯本駅そばの蕎麦店|箱根湯本のランチ・夕食ならはつ花そば

店を出て霙。雪雲が山から下りてきたようである。

 

鰻の八幡巻

八重洲 はし本にて

ハウスダストアレルギーの発作を機に、しつこい咳に悩まされている。耳鼻咽喉科で薬を処方してもらい、定期健診を受けている内科でも診察を受けた。長くなると喘息になる可能性もあるそうだ。

連れは体力をつけろと八重洲鰻屋、はし本に誘ってくれた。ありがたいことだが、食事中に咳が止まらなくなるのが心配である。

しかし、ちびちびとお酒で喉を潤していると不思議と咳が出てこない。神経性のものなのだろうか。顧みれば、以前のように仕事を楽しめない自分が見えてくる。

さて、気分を変えよう。お通しに出てきたのは鰻の八幡巻、見た目も美しい。ゴボウを鰻で巻き、その下に薄切にし炙った蕪、上にはすりおろした山芋と芹が重ねられている。その美味しさに思わず仲居を呼び止めて食材を確認した。茶色の小さな粒は鰻でカリカリとした食感、白いものは乾燥山葵だそうだ。手の込んだ料理であった。

鰻の八幡巻

お次のつまみは貝柱のぬたとおぼろ豆腐、サラダに板わさ。連れは満足そうに盃を進めている。極めて?繊細な?連れの喉を攻撃する川海老の素揚げは見送られた。

鰻重

今夜の肝吸いには蒲鉾が入っている。そして大きな肝。

翌日、快方に向かう。