2022-01-01から1年間の記事一覧

正午の茶事

実家にて 師走11日、妹は千家流派の青年部で知り合って以降、30年余り親交するお三方を茶事に招いた。先回同様、亭主は妹、半東は妹の主人、懐石は私がつとめるいつも通りの布陣である。 待合 懐石 折敷 向う(15代永楽善五郎)平目コブ〆 飯碗(真塗)栗お…

師走の箱根

箱根湯本にて 12月3日、箱根湯本に向かった。 宿の庭園にはイルミネーションが施されており、気が付けばクリスマスシーズンが到来。一年はあっという間だ。 さて、この日の午前も連れには仕事があり、新宿12時20分発のロマンスカーに乗車した。 弁当は、蛸と…

行楽弁当

ロマンスカーにて 出張が続き、いつの間にか師走を迎えてしまった。11月20日には妹の茶事の手伝いがあり、このところ連れとゆっくりと過ごす時間もない。申し訳なく思う。 11月22日帰京、翌23日は祝日で、日帰りで箱根行きを計画した。ところが午前、連れに…

正午の茶事

実家にて コロナ禍のため二度延期となった茶事が、11月20日にようよう実現した。妹念願の恩師を招いての茶事である。 紅葉は真っ赤という訳にはいかなかったが程々で良いのだろう。 11時の席入りに30分ほど遅れ、93歳の正客は社中の弟子お二方に両側を支えら…

10月の庭 Ⅲ

実家にて 秋晴れの心地よい季節である。 母のお気に入りの可憐な花、ダイモンジソウが開花した。 柿は枝がたわむほど鈴なりとなり、鳥たちを待っているかのよう。実りの秋を実感する。 西王母、紅妙蓮寺、荒獅子、初嵐など早咲きの椿が次々と花を開き始めた…

10月の庭 Ⅱ

実家にて 秋も本番、実家の庭ではさまざまな菊が咲き始めた。一方、初秋から咲き始めたシュウメイギクはそろそろ終わり、これが最期の株である。 素朴な素朴な野菊。母はこの花を田舎菊と呼ぶ。名残り10月、籠に映える花のひとつ。 こちらは、もってのほか、…

日帰り温泉を楽しむ

ロマンスカーにて 10月15日土曜、実家から戻り、翌日箱根に赴く。 「たまには熱海でもどう?」と声をかけると「弁当を広げるならロマンスカーだよ!」と連れ。 つまるところ私たちはアクセスの良い箱根の先にはなかなか進めないのだ。 さて、ロマンスカーで…

生誕140年 二つの旅 青木繁×坂本繁二郎

アーティゾン美術館にて 福岡県久留米市に生まれた同い年の画家、青木繁と坂本繁二郎の生誕140年を記念する展覧会。 www.artizon.museum 「海の幸」や「わだつみのいろこの宮」などの傑作を残し、肺結核を患い28歳で逝った青木繁。坂本繁二郎はその没後、遺…

ザクロをいける

実家にて 水盤にザクロと田舎ギクをいける。 この青磁の水盤は48cmほどありこれまで使ったことがなかったが、実が重く枝がしなって置くことしか出来ないザクロにはこの器しか見当たらない。 華道をたしなんだことのない私の花は、茶の湯の「花は野にあるよう…

野菜いっぱい

自宅にて 出張と実家往復の今日この頃。連れの好物を揃え、野菜いっぱいのランチで体力の回復を図る。 鰹のタタキサラダ仕立て。貝割菜に大葉、生姜、大蒜もたっぷり。 牛ステーキ赤ワインソース。こちらもベビーリーフ、ブロッコリー、枝豆とたっぷりの野菜…

10月の庭

実家にて 6日間の出張が終わった。眠れない夜にさよならを告げ、深呼吸して緑を満喫する。 野草園では、季節ごとに主役が変わる。今はミカエリソウ(見返草)が君臨。毎年のことながら花房が巨大な虫に見えてしまい、虫によわい私はぞわぞわしてしまう。 キ…

日帰り温泉を楽しむ

箱根湯本にて 三連休の初日(9月23日)、箱根に向かった。残念ながら、連れも私も週末に仕事があり日帰りとなった。連れはスパークリングワインとビールを、私は弁当とワイングラスを携え新宿駅からロマンスカーに乗り込んだ。 弁当の菜はシラス入出汁巻玉子…

9月の朝顔

実家にて 9月も半ばとなった。朝顔の花がけなげに咲いている。 花径も大分小さくなり、葉は黄色味を帯びてきた。夏を象徴する朝顔が、本格的な秋の到来を告げているかのようだ。 こちらの二つは切り込み作り。 大型台風の予報に朝顔の鉢を軒下に取り込む。雨…

月夜に歩く

実家にて 昨晩は十五夜であった。夕刻、縁側にススキを生け、白玉粉で作った団子と選りすぐりの大きな栗の実を供える。 照明を消し障子越しの月明りを楽しんでいると、次第に目が慣れて部屋の隅々まで見えてきた。 障子を開け、ガラス戸の向こうを眺める。庭…

家庭菜園の収穫

実家にて秋の虫の音に耳をすませ、朝顔を見やれば、昨夜の雨にあたり花弁は重く花径もひと回り小さくなったようだ。「猛暑が懐かしいな!」と声に出すと、「何を言ってるの!」と母が笑う。朝顔に混じって黄色い花の鉢、「それはオクラよ!」9月3日の家庭菜…

9月の庭でⅡ

実家にて 藪の中に身をひそめる植物を探して出会ったのは、美しく繊細な傘を広げる可憐なキノコ。 透き通るほどに薄い傘の中央は鮮やかなレモン色だ。一夜ももたず形も色も変わり、溶けてしまうと言う。妖精にたとえられるのも頷ける。 検索するとヒトヨタケ…

9月の庭で

実家にて 朝晩はめっきり涼しくなった。植物たちは互いに競い合って季節の急カーブを回り、夏から秋へとバトンを渡したようだ。表玄関への延段沿いに咲くシュウカイドウは花を落とし、藪の中ではさまざまな花が咲き出した。ひっそりと花弁を広げるホトトギス…

朝顔の便り

実家にて 20年ほども前からか、父は朝顔と夕顔を種から育て、行灯仕立てにして親しい方々に届けている。花が終わると差し上げた方々から「来年も楽しみにしています」との言葉とともに鉢が戻されるのだという。8月5日に帰郷した折にはまだ20鉢ほどが残って…

美味い店はどこに?

箱根湯本にて 山男でならした連れも、このところ腰や背中、膝が痛いとこぼすようになった。温泉を目的に箱根湯本に通うことしばしば。先週末に持参したランチ弁当は、椎茸煮と塩昆布のご飯、菜はチョリソー、出汁巻玉子、人参のグラッセと季節の野菜。そして…

百日紅満開

実家にて幼いころの思い出もあるのか、父は庭のそちらこちらに百日紅を植えた。それぞれ色が異なる百日紅の花は、緑濃い庭のアクセントになり、真夏の庭の主役である。 母屋前 蔵周辺 好きとはいえ、父はよくぞこれだけの百日紅を植栽したものだ。30本以上あ…

INAUDI SPECIALTA ALMENTARE A BASE DI Sale con Tartufo Bianco

拙宅にて「エッ、朝カラ? YAKITORI ?!」「ソウ、朝カラデス。」1週間ホドノチ。「ヤヤッ!マタモヤ朝カラ?」「ソウソウ、朝カラ、昨晩土産二イタダキマシタ chicken-fly!」 「コノ季節、昨晩ノ手土産ハスグニ消費スルノガヨイノデス。賢明ナノデス!」…

朝茶事 

実家にて 海外に旅立つ若い人へはなむけの茶事。正客は妹と社中を同じくする19歳の女性、次客はその母、詰めは社中の先輩と聞く。亭主は妹、半東は妹の主人が務め、当方はいつものごとく懐石を担う。医学を志し、ハンガリーの大学に留学するという正客は、い…

極上の宿

実家にて 次々とエゾカンゾウが開花、朝陽を浴びて黄色い花が眩しいほどに輝く。花の中に客あり 花をのぞき込んでいるうちに子どもの頃に読んだ絵本を思い出した。 チューリップから生まれ大切に育てられていたおやゆびひめは、ある夜、クルミの殻のベッドで…

借りてきた猫を気取る

箱根にて 連れは右膝、私は五十肩に加え左膝を痛めてしまい、このところ温泉通いが続いている。ともに北アルプス縦走を楽しんでいた往時を懐かしく思うばかりである。7月2日、新宿11時20分発のロマンスカーに乗り込み車内で弁当を開いた。到着後は13時30分…

アジサイの盛り

実家にて アジサイが盛りである。実家では猛暑の中、多種多彩の花々が競演。張り子コレクターの妹から、実家のくれないとホタルブクロをいけたとラインにて。キレイなくれない色 アナベル 七変化 さて、姪夫婦の結婚披露宴が来年明けに決まり、すでに入籍を…

箱根をどり Ⅱ

箱根湯本見番にて見番に到着したのは、開場の10時を10分ほど回った頃であったか。受付をすませ、会場に入るとすでに多くの人で賑わっていた。マスク姿であるものの談笑を交わす客席の様子は、舞台への期待があふれているようであった。受付順にチケットには…

箱根をどり Ⅰ

小田急ロマンスカーにて 6月11日土曜日、「第18回箱根をどり」の開催日である。箱根湯本見番の案内によれば、開演は10時半、12時半、14時半の3部制。電話を入れた日にはすでに10時半の席しか残っておらず、盛況ぶりがうかがわれた。コロナ禍においては、観…

初夏の庭を歩く

実家にて6月4日早朝、母と初夏の庭を歩く。蕾を開き始めた花、今が見頃の花、そして散り際の花と、庭を舞台に主役が次々と入れ替わる。アマチャが咲き始めた。 オオヤマレンゲ。蕾を一輪いただいて花入れに、茶室では蕾が主役。 こちらは花弁を落とし始めた…

ミツバシモツケ

実家にて老舗茶道具商が水屋に控える某数寄者の茶事は10年も続いただろうか。茶懐石を担いながら、桃山期の古陶磁の扱い、料理と器の取り合わせなど、厳しくも多くを学ばせていただいた。茶の湯の世界では名の知れた方々が客となる茶事の懐石を、当方のよう…

また来年のお楽しみ

実家にて 5月29日、早朝に主庭の松の手入れ、秋に落としきれなかった古葉を落とし、風通しをよくする。これは私の役目、続いて父が松の形を見ながら緑摘みにかかる。 日が高くなるに連れ、真夏のような日和となった。 テッセンの花が咲いた。 ミツバシモツケ…