9月の庭で

実家にて

朝晩はめっきり涼しくなった。植物たちは互いに競い合って季節の急カーブを回り、夏から秋へとバトンを渡したようだ。

表玄関への延段沿いに咲くシュウカイドウは花を落とし、藪の中ではさまざまな花が咲き出した。

ひっそりと花弁を広げるホトトギス

木陰の薄暗がりで仄白く浮かぶギボウシの花。

キンミズヒキとワレモコウは重なり合って。

庭のあちこちに群生するトレニア(宋胡録)。40年以上も前になろうか、父方の祖母が、宋胡録(すんころく)と言うのだ、と分けてくれたもの。往時、祖母はトレニアという名前を知らず、今でも私たちは「宋胡録」と呼んでいる。

こちらも庭のいたるところで咲くテッポウユリ。石の間に種が落ちたのだろう。けなげに花を咲かせている。まだまだ小さく、種から育って一年か二年であろうか。

虫の声、鳥の声しか聞こえない週末の1日。