実家にて
藪の中に身をひそめる植物を探して出会ったのは、美しく繊細な傘を広げる可憐なキノコ。
透き通るほどに薄い傘の中央は鮮やかなレモン色だ。一夜ももたず形も色も変わり、溶けてしまうと言う。妖精にたとえられるのも頷ける。
検索するとヒトヨタケにはさまざまな種類があり、これは柄がザラザラしていることから「ザラエノヒトヨタケ」(粗柄一夜茸)。
しかし、画像で再検索したところ「キツネノハナガサ」でヒット、こちらはハラタケ科。
どちらにしろ夢のように儚い。その姿を身をかがめて追った。
これからキノコの季節が到来、実家の庭では梅の古木にサルノコシカケが、倒木にクリタケが生え、このほか食用ではない様々なキノコを見かける。あるものは美しく、あるものは不思議な姿である。
クリタケはみつけた折に、両親がキノコ博物館まで持参し名称を確認したそうだ。食用と聞いたがいまだ食卓にあがらない。