2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寿福

1月半ば、周囲で持ちきりの話題があった。A氏が投函した賀状の1枚に、1等当選番号が含まれていたという。当るはずもあるまいと、笑って聞き流したが、思い当たる人々はすぐさま照合をしたようであった。3日経ち、当選者はあらわれなかった。一方、にわか捜…

常連客

日曜の夕刻、連れの足は自然とガード沿いの居酒屋へと向かう。どこの誰より料理にうるさい粋人も、学生時代を思い出すのだろう、ここだけは舌も別ものらしい。店の常連は、学生から老人までさまざまだ。互いに言葉を交わすことはないが、今や、顔見知りの間…

七草粥

早いもので正月も7日である。無病息災を願い、朝食に七草粥を作る。近年は、スーパーでも七草のすべてを手に入れることが出来る。七草はよく洗い、2センチほどの長さに揃えきざむ。すずな(蕪)、すずしろ(大根)はアラレ切りに。米は昆布だしで40分ほどこ…

小紋の着物

正月5日、大伯母譲りの江戸小紋にはじめて袖を通す。新春には地味な紫地に白の小花紋だが、台所と食卓を行き来する身には丁度いい。ガラス重箱に盛り付けた料理も、すでに正月の華やかさは失せ、いつもの献立に戻りつつある。こんな料理にこそ、時節の移りを…

正月祝いの膳

正月3日、気のおけない茶友を招き、新年を祝う。毎年恒例、妹の誕生日祝いを兼ねた初釜代わりの新春の宴だ。本年は6名の客を迎え、夕刻6時半、開宴となった。例年献立は、茶懐石の流れを基本にしているが、前菜にはおせち料理を召し上がっていただいている。…

日々是好日

年が明けた。穏やかな1年であれ、と心から願う。一昨日に帰郷し、晦日の仕事も終えて、昨夜は0時前に床に入った。同時に、携帯がなった。山上の茶室にこもり、一人仕事を続けている人からであった。これから茶室脇の鐘楼の鐘をつくという。いくぞとばかり…