2012-01-01から1年間の記事一覧

静寂の巨匠 シャルダン展

シャルダンの静謐な世界を堪能する。リーフレットのコピーは《国王ルイ15世やエカチェリーナ2世を魅了した、静かなる美》鑑賞後、ミュージアムショップでカレンダーを購入、来年の我が家では、美しきシャルダンが季節を教えてくれることになった。画像はポス…

佐竹徳(1897-1998)という画家

厚く雲が垂れ込めた早朝、東京駅から新幹線に乗り込み岡山を目指した。岡山県瀬戸内市内、小豆島を望む風光明媚な牛窓町は、洋画家佐竹徳が40年にわたり過ごした土地である。彼は最晩年、牛窓町に多くの作品を寄贈(現・瀬戸内市立美術館所蔵)した。瀬戸内市…

読書の時間(小説)

昨年末からの蔵書の整理。古書店に持ち込んだり、廃棄したりもしているが増えていくことは必須だ。興味のある画集や図録は頻繁に眺めるが、一般書籍や文庫本は一度読んだが最期、あるものにいたっては横積みにされ、引き出されることもない。内容はもとより…

読書の時間(コミック)

先週末、甥が「すっごい面白いよ!」と勧めてくれた『宇宙兄弟』小川宙哉(モーニングKC)。貸してくれた18巻を二夜で読みきった。幼い日から宇宙へ行くことを志した兄弟の壮大な夢、悩みや挫折、そして達成感を読者は共有する。ページをめくる指が止まら…

『フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活』静岡市美術館

静岡駅前の松坂屋に大きく掲げられた看板から眼が離せなくなってしまった。「フィンランド」「くらし」「森の生活」のワードに誘われ、吸い寄せられるように静岡市美術館へと向かう。エントランスには、見慣れたテキスタイルが掲げられている。展覧会構成 《…

葉山パブリックゴルフコース

6日にゴルフコンペを控えている連れに付合い、葉山パブリックゴルフコース向かった。午前中に大雨が降り気は進まなかったが、仕方がない。付き合ってあげるとするか。コースに出れば、真剣そのものの連れの姿・・・一方の私、真剣と言う言葉は念頭になく、連…

熱海ゴルフ倶楽部

暑さも一息をついた8月9日、「熱海ゴルフ倶楽部」で一日を過ごした。ここは、兼ねて連れの憧れであった赤星四郎設計による、昭和初期に造営された歴史のあるコースである。早朝に家を出、新幹線に乗り込む。熱海へはこれまでアクティを利用していたが、初め…

鮎を食べる

先週末は都内のゴルフ練習場におもむくも、成果は上がらず、この週末はお中元にワインが届いたことをいいことに、鮎でも焼いてゆっくりと過ごすことにした。連れの膝の調子ももどり一安心だが、3ヶ月かばいつづけた片足の筋肉は大分おちてしまった。ササミや…

辛口! ファイヤー!! バリ勝男クン。

昼過ぎに静波海岸を出て、一路、湯治に向かう。連れの膝には湯河原が良いのか、はたまた熱海の湯が効くのか・・・わからないままにこの日は湯河原に向かうことになった。静岡駅からはゆっくりとローカル線で移動だ。連れと二人、つまみとアルコールを買い込…

静波海岸 スイングビーチ

連れはいまだ膝の痛みが消えず、ゴルフも山行もままならない。そこで週末は海を見ながらゆっくりと過ごすことにした。静岡県の海沿いの町牧之原市。「東急ハーヴェストクラブ静波海岸 スィングビーチ」を予約したが、多忙な連れは片付けなくてはならない仕事…

温泉はしご 湯河原温泉「ま々ねの湯」

ゴルフに熱中しすぎたためか、このところ連れは膝に痛みが走るのだという。幾度か整体に通い、先月は湯河原に、2週間前には箱根に行き湯に浸かった。そして、この週末は熱海、湯河原と温泉のはしごをしたいと言い出した。連れは7月半ばにゴルフコンペを控え…

井上靖『夏草冬濤』

夏草冬濤 (上) (新潮文庫)作者: 井上靖出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1989/06/09メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (12件) を見る ご存知『しろばんば』に続く井上靖の自伝的小説。井上は成人してから親しんだ作家であるが、『夏草冬濤…

花を届ける

大山蓮華が芳しい花を咲かせた。幾種かの花を添え、茶の湯の師に届けることにした。久しぶりに会った高齢の師の身体は、また一回り小さくなったように感じられた。師のもとを離れ、いつしか5年の歳月が経つ。今、師と私とをつなぐのは四季折々の花であった…

青森県産 天然ヒラメ

小田急新宿の地下食品店街に立ち寄る。時折、ここの鮮魚売場では天然魚のお買い得品が登場するのだ!さてこの日のお買得品は?・・・なになに?!青森県産天然ヒラメが二柵で1000円!信じられない!!大漁だったの?!何にせよ当家にとってはこの上のない幸…

ラ・フォンテーヌ

静岡県牧之原市相良、好きな町である。連れの所要に付き合って幾度目の訪問となるのだろう。連れと別れ、いつものように海岸までの道をたどる。路地沿いの家々の庭には砂地の小さな畑もあり、温暖な気候が野菜を育てていた。ほどなく潮の香りがして、海がす…

新緑に薄茶一服

近年、ご縁をいただいた年長のお二人を招いて、薄茶を一服差し上げることになった。それぞれご友人をお一人伴われていらっしゃる。当日は晴天、場所は新緑も清々しい春風萬里荘「夢境庵」(茨城県笠間市)。裏千家の茶室「又隠」を手本に北大路魯山人(1883−…

花見の宴(北の丸公園)

3月も末になると「今年の花見はどこに行こうか?」と言い出す連れ。と言っても桜追いの旅に出るわけではない。以前は千鳥ヶ淵や上野に出かけたものだが、人の多さに楽しさも半減して、この頃は近くの稲荷神社であったり、四谷や吉祥寺であったりする。要する…

A・S・バイアット『抱擁』

抱擁 (1)作者: A・S・バイアット,太原千佳子,栗原行雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1996/04メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 久しぶりに読みごたえのある小説に出逢った。『抱擁』”Possession: A Romance”(新潮文庫)は…

「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」

雨は朝から、しとしとと降り続いている。旅先の静岡で、私に降って湧いた空白の3時間。過ごし方をカフェでぼんやりと考える。この天気では、神社仏閣巡りはままならないし、静岡県立美術館はアクセスが面倒だ。静岡市美術館は近くだが、開催中の「竹久夢二」…

ネット購入の恐怖

早くも三月も半ば、連れは「確定申告だあ!あー忙しい、忙しい!」と悲鳴をあげながらも片や、ゴルフクラブの蒐集に余念がない。このところ、練習にもゴルフ専門店にも行けず、その欲求不満をネットのクラブ購入で発散しているのだ。パソコンを開いては、オ…

茶会への招待 三井記念美術館

間隙を縫って訪れた三井記念美術館で「茶会への招待ー三井家の茶道具」を鑑る。毎々、三井家の財力と眼力の高さに脱帽する。折り目正しい来歴、保存状態、道具自ら堂々と構えて揺らぎが無い。唐物肩衝茶入「遅桜」や志野茶碗「卯花墻」(国宝)、黒楽茶碗「…

"Les Grands Arbres"

連れが、最近、ハマっている赤ワイン "Les Grands Arbres" 375ml。 日本酒党の連れも、時々ワインが飲みたくなるらしい。「僕は赤はダメだねえ…」と元来、お気に召さなかったはずだが、この赤ワインは飲みやすくハマってしまった。デパ地下(大丸)のアルコ…

ゴルフ熱冷める!?

新春2日、気のおけない仕事仲間とゴルフに出かけた連れ。結果は「まあまあ・・・」であったようだが、「楽しかった?」と問えば、「うーん、どうかな?」と今ひとつ煮え切らない。昨年、背中の筋を痛めるほど練習を続け、また収納場所も考えずゴルフセットを…

ルキノ・ヴィスコンティ 『家族の肖像』

年末年始にイタリアを旅したという福島の友人Kから、半月遅れの誕生日プレゼントが届いた。愛娘とともにローマ、ポンペイ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラノを巡ったそうだ。 移動で忙しい旅にあって、あれやこれやと選んでくれたのだろう。フィレンツェ…

『誰か Somebody 』 宮部みゆき

2012年の最初の3連休は、静岡県牧之原市に旅することになった。例によって、相良のお気に入りの書店を訪ね、『誰か Somebody 』(宮部みゆき著/文春文庫)を購入する。昨年末にこの書店で手にした『名もなき毒』のシリーズ前作にあたるものだ。主人公は大財…

老人と貝殻

2012年1月8日朝、宿を出て相良(静岡県牧之原市)の海岸を歩く。浜辺には幾人もの釣り人たちが竿をかざしていた。私は東の空に上った太陽の波間の反映を楽しみながら、足元の石を拾った。ふと気が付くと、痩身の老人がこちらに手を差し出している。皺の多い…