鮎を食べる

先週末は都内のゴルフ練習場におもむくも、成果は上がらず、この週末はお中元にワインが届いたことをいいことに、鮎でも焼いてゆっくりと過ごすことにした。

連れの膝の調子ももどり一安心だが、3ヶ月かばいつづけた片足の筋肉は大分おちてしまった。ササミや野菜、白身魚で滋養強壮、筋肉の回復をはからなければね。

というわけで、昼前、丸赤に鮎を買いにでかけた。

しかし、店頭に天然の鮎の姿は見えず、あったのは愛知県産の養殖の鮎。

「養殖はだめだよ!」と連れに何度も言われてはいるが、店員に聞けばその鮎は稚魚を川に放し育てたものだそうだ。それなら身もしまっているかもしれないと、かすかな希望を抱いて2尾の鮎とともに帰宅した。

鰭には化粧塩をほどこし、手をかけ時間をかけ、じっくりと焼いた。連れには養殖ものとは言わず、蓼酢を添え、上手く焼けたほうを出したものだが…

ひと口ほおばり連れがすかさず言った。「うーん、身が柔らかい…これ、ひとついくら?」

「700円だったかなあ?」 

「それなら天然じゃないね、塩加減も良いし、焼き方もいいんだろう。でも脂が多いし…鮎は難しいねえ…で、おまえの前にあるのって、それ秋刀魚?」

これまた手厳しい、一言もない。いかにも清流に育った繊細な鮎と比べれば無駄に大きすぎる…でも秋刀魚って…そう、確かに脂がのった秋刀魚のようにも見えなくもない、うまいことを言うものだ。

「んーでも、可愛い顔してる…」

「おまえ、何言ってんだよ。鮎は怖い顔してるほうがうまいんだよおッ!」

「はいはい、おっしゃるとおりです…」

しかし夏の美しい命をいただいたことに変わりはない。

つぶらなまなこの鮎よ、鮎!すまなかったね! 美味い、美味いと食べてくれる家に買われていけば良かったね。


献立

  • 青森県産 烏賊の塩辛
  • 胡瓜と玉葱の梅肉和え
  • 愛知産 鮎塩焼き 蓼酢を添えて
  • ロッコ隠元胡麻和え
  • ササミの生姜焼き 白髪葱を天に
  • じゅん菜とオクラの出汁浸し
  • そうめん 焼き茄子と冥加を添えて