2016-01-01から1年間の記事一覧

いせ源

毎冬、12月と2月に足を運ぶ「いせ源」にて、師走21日、あんこうに舌鼓を打った。本日、連れは斑唐津と高麗青磁の盃を携えてきた。まずは肝刺しに煮こごり、唐揚を前に一献。のらりくらり盃を重ねていると「そろそろお鍋に火をおつけしましょう!」と仲居から…

石川淳『至福千年』

至福千年 (岩波文庫 緑 94-2)作者: 石川淳出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1983/08/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 73回この商品を含むブログ (23件) を見る 古書店で目に飛び込んできたのは『至福千年』の文字。あらあら、これは未見。 解説は澁澤…

クリスマス

ささやかな我が家のクリスマス。 例年通り、長年の友人Kや家族からのプレゼントが並ぶ。 幸せに満たされる時間。みんなみんな、ありがとう。

鯉とアメンボ

11月26日、連れと紅葉も見頃の箱根へと向かう。いつもながらの無計画がたたり、予約でいっぱいのロマンスカーを見送って、10時発の新宿湘南ラインに乗り込む。さて、鎌倉彫二段重箱にぎっしりと詰めた朝飯は、高松土産の練り物に厚焼き玉子、青物とお麩の二…

二蝶

11月22日、羽田12時05分発のANA機で高松に向かう。当地の名料亭「二蝶」にて夕食。献立 先 附 松葉ガニ柚子餡かけ お 椀 牡蠣、豆腐、菊菜、椎茸、柚子 お造り 鯛、間八、あおり烏賊、芽物 焼 物 牛焼き 葱炒め 銀杏 むかご 炊合せ 鯛、蕪の玉子蒸し 酢の物 …

栗名月

今日は十三夜、ススキと秋明菊と柿を縁側に飾りました。 今、栗を煮ています。 本来なら栗名月には栗おこわを作るべきでしたが・・・ そのせいか、今夜はお月さまは顔を見せてくれません。

懐石リハビリ

「おまえ、料理が下手になったなあ!」と連れがしみじみと言う。何をか言わんやその通り、このところ簡単なオードブルでお茶を濁し、メインは見た目の派手なオーブン料理となれば、当方とても自覚症状大アリである。そこで、懐石への情熱を呼び戻すべくリハ…

「海辺の家」(2001年 アメリカ)

深夜にパソコンを開き、タイトルに惹かれ映画を見る。海辺の風景が美しい・・・眠れない一夜には最適な1本。建築事務所に勤める42歳のデザイナー、ジョージ・モンローは、妻子と別れ古びた海辺の家で暮らしている。会社を解雇された直後に倒れた彼は、担ぎ…

爺ヶ岳

8月10日、新宿7時30分発のスーパーあずさで連れと北アルプスに向かった。降車駅は信濃大町、バスに乗り換えて家族連れで溢れかえる扇沢へ到着したのは午前11時を回ったころか。昼食をとり軽い準備体操ののち、柏原新道まで車が行き交う2車線道路を下り、登山…

はとこ会

三連休の最終日、画家の道を歩み始めたはとこを招いて食事会を開いた。はとこの中では一番年下で歳も離れている彼女とは、これまで余り会う機会がなかった。今回は、人見知りの彼女のため話上手の妹が同席し、和やかな時間をともに過ごすことなった。繊細な…

井上靖 『星と祭』

定期的に本棚を整理をしたくなるのは何故だろう。ダンボール箱で休息させている本たちを棚に移動し、背表紙を眺めるのが好きなのかもしれない。そして、純粋にもう一度読みたくなったり、あるいは本屋で出会った時のように新鮮な興味がわいたりして、外出時…

梅が結ぶ縁

梅の収穫の頃となった。先週末、連れは生け垣を越えて成長した枝を剪定し、私は切り落とされたばかりの枝から梅の実をもいだ。昨年は不作であったが、今年は枝ごとに実は鈴なりである。この日の梅はまだ青く、梅酒に最適であった。拙宅だけでは処理しきれず…

箱根にて

久し振りに連れと日帰り旅に出た。行き先は箱根、これがあいも変わらずの珍道中。それではこぼれ話を少々。早朝から連れは仕事があり、新宿で待ち合わせとなった。さて9時40分発のロマンスカーの出発までは10分ちょっと、私は席を目指すも、連れはホー…

玉子先輩

甥はこの春、都内の大学に進学し、我が家からそう遠くないところに姪と二人で住むことになった。実家では喧嘩ばかりしていたというが、今はすこぶる仲が良いようである。 5月5日、二人は賑賑しく我が家に現れた。当方、彼らの好物を用意して迎えたものだ。…

有吉佐和子「地唄」

地唄 (1967年) (新潮文庫)作者: 有吉佐和子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1967メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 伝統芸能を背景に様々な人間模様を描く4つの短編集。 「地唄」昭和31年 「墨」昭和36年 「黒衣」昭和36年 「人形浄瑠璃」昭和33年 …

観梅

槍梅や曇天突きてこぼるるうらら(敦煌)

槍梅

拙宅の遅咲きの梅が見頃を迎えた。半月ほど前の嵐で、まだまだ硬く小さかった蕾が沢山落ちてしまい、今年の花はいかばかりかと思っていたが、日毎、花喰い鳥たちが訪れるにぎやかさ。変わらず目を楽しませている。昨夜から降り続く雨に花弁が舞った。春本番…

二月の花

実家から帰宅の折、母が花を包んでくれた。いく輪かの椿と土佐水木。いつものようにひと枝もひと葉も落とすことなく、その命を惜しみ、野にあるように活ける。 拙宅では遅咲きの梅の開花までもう少し。

『王妃の離婚』 『愛を読むひと』

気分転換に現実とかけ離れた小説はなかったか、と自宅の本箱をあさる。目に飛び込んできたのは、佐藤賢一『王妃の離婚』、1999年の直木賞受賞作。これがいい、かなり面白かった記憶がある。ページをめくる手が止まらない。映画を見ているように映像が浮かん…

続・一客一亭の茶事

蔵の中で眠り続けていた古信楽の種壷を花入れとし、連れを正客に迎えて一客一亭の茶事を開く。しかしこの壷のおおらかさを前に、花がなかなか定まらない。落としを代えてみたり、開いた椿をいくつか入れてみたりして、ようやく自然な形に落ち着いた。席入り…

一客一亭の茶事

茶の湯の稽古を辞してから10年余りが経った。今や、和服の着付けは多分に時間がかかり、正座をすれば足がしびれ、点前となれば足がふらつく・・・ここに至っては、自覚も新たに自主錬を開始。何故ならやがて訪れる老後の楽しみのひとつは茶事であるのだから…

第2次和服ブーム

毎々、和服に身を包み、茶の湯の稽古に通っていたのは10年以上も昔のことだ。あれほど和服に親しんでいた時代もあったのかと、往時を懐かしく思うこの頃である。しかしながら一昨年、かつての社中の友人の茶事に招かれて以来、徐々にであるが和服を着る機会…

山上の茶事(六)

転んで福? 鎌倉の数寄者、居合仲間を招いての新春恒例の茶事、本年も水屋に侍ることとなった。客は10名以内と聞いていたが、それを超えての大人数となり、各々が持参した大量のアルコールが水屋の一隅を飾った。一方、昨年は出しきれないほどあった客の持ち…