転んで福?
鎌倉の数寄者、居合仲間を招いての新春恒例の茶事、本年も水屋に侍ることとなった。
客は10名以内と聞いていたが、それを超えての大人数となり、各々が持参した大量のアルコールが水屋の一隅を飾った。一方、昨年は出しきれないほどあった客の持ち寄り料理は、次の2、4、5のみに留まった。
しかしながら、客の手土産をあてにしていた当方、この日用意したのは雑煮の材料に少々の料理。つまりは増えた客人分、蒲鉾は薄く薄くなり、果ては新潟土産の柿の種を八寸に盛り付け、場を凌ぐ有様であった。
献立
- 紅白蒲鉾・黒豆を添えて
- 松風焼・昆布巻・その他二種(二段重箱)
- 里芋煮 針柚子
- ほたる烏賊の干物
- 柿の種
- 紅白ナマス(大根・人参・椎茸煮を刻んで)
- 漬物二種(野沢菜・赤蕪)
- 雑煮(焼餅・鶏肉・短冊人参大根・椎茸・結びミツバ・松葉柚子)
- 主菓子 麩饅頭
後座は薄茶一服、亭主蒐集の名品は眼福の極みである。
片付けを追え、茶室を辞したのは午後4時を回った頃であったか。その足で亭主とともに鎌倉の古美術店を訪ね、思いがけず、新年を寿ぐ懐石に舌鼓を打つこととなった。
献立
- 向う(中トロ・烏賊・子持ち昆布)
- 煮物椀(焼き葱蟹葛餡かけ)
- 焼物(海胆・山芋)
- 強肴
- 飯
食材良し、味付け良し、品のある盛り付け、素晴らしい献立であった。古陶磁石盃を代え、鑑賞しつつ酒も進んだ。
美味い茶を頂いてほろ酔いで帰宅。手にはしっかりと購入した煮物椀を抱えて。
山上の茶事(五)http://d.hatena.ne.jp/izaatsuyoshi/20150105/1420415543