2010-01-01から1年間の記事一覧

香箱蟹を食べる

先日の鎌倉の茶事に差し入れをいただいた料理屋「ろばた(呂者堂)」を訪ねる。店内には大きな囲炉裏のテーブルがあり、それを囲んで10脚ほどの椅子が並ぶ。炉内には備長炭が赤々と燃え、自在に鉄瓶がかかっている。東京銀座に存在するふるさとといった風情…

Dear K,

December has come. Yes,Christmas season has come. But I'm boring. think Some cakes, Illuminations and a Christmas Tree. It is same Christmas every year, is not it? There should have been a pleasure for me. Her Birthday will come! Dear A, H…

師走の立原

久しぶりに立原を訪ねる。昔から変わることのない野菜中心の優しい料理だ。献立 口取 しんとり菜となめこの煮びたし 椀 白子の擦り流し 向附 平目昆布〆・生海苔・葱・山葵・酢橘 煮物 牛蒡・人参・大根・里芋・蓮根・椎茸・隠元・柚子 凌ぎ チラシ寿司 焼物…

山上の茶事(参)

師走 茶懐石献立 鎌倉は山上の茶事。正客は室町より続く名家の当主、連客は5人。紅葉いまだ残る木立の下、客は息を切らせつつ石段を上がり、茶室に到着したものだ。さて、その頃水屋では、懐石担当の当方、最期の仕上げに必死になっている。亭主所蔵の古陶磁…

落ち葉の行方

小春日和の一日を、庭仕事に「うつつをぬかす」ことにした。金曜の大風は、枝々の紅葉をほとんどさらってしまい、地面を色とりどりに染めている。落ち葉を掃き集め、リヤカーでとある場所へと運び入れる。あとは豊かな腐葉土に、時が仕上げてくれるのを待つ…

湯河原探訪

晩秋の1日、湯河原を訪ねた。紅葉も見ごろを過ぎて、赤や黄色の落葉が路傍を染めている。湯河原には「2.26事件」の折に襲撃を受けた伊藤屋旅館元別館光風荘があり、東京以外で唯一現場になった場所として知られている。この建物の撤去計画に際し、町の有志た…

富士待ち(伊豆の旅2)

さて翌朝10時、土肥から修善寺経由のバスに乗り、三島へと向かう。連れは午後には仕事にもどらねばならず、三島から新幹線で帰京することにしたのだ。昨夜は激しい雨が屋根を叩いたが、今日はうって変わってよい天気である。バスは小高い山々を縫い、時折ト…

土肥温泉(伊豆の旅1)

「西伊豆の土肥だ、打ち合わせに行く。仕事はすぐに片付くさ、フェリーに乗るんだ、温泉だぞ!」 連れの誘いに、駿河湾から断崖の紅葉を見たくなり、同行することにしたのだった。23日の朝、東京を出て熱海で乗り換え、沼津から高速船で土肥まで向かう。連れ…

しじみの味噌汁

質のいいしじみを手に入れた。3連休のなか日、昼からしじみの味噌汁を肴に日本酒を飲む。味噌汁の吸口は千切りの生姜。盃は古唐津。しぶくて粋な取り合わせだ。昨夜はしとしとと降る雨の中、鎌倉ではじめての店の暖簾をくぐった。60がらみの素人風のおかみと…

フロムアクアストーリー2

舞台は大清水トンネル。ツルハシを担ぎ、ヘルメット姿もりりしいペンギンくん! ゲットです!! ペンギン3http://d.hatena.ne.jp/izaatsuyoshi/20100824/1282600643

食道楽

このところ、週末は湯河原で過ごすことが多くなった。先週末は鎌倉の料理屋「まき」で舌鼓をうち、翌日湯河原に向い、とろりとした湯で日頃の疲れを癒した。「まき」には、以前から話をしていた自家産の味噌を持参した。まずは店の主人に味見をしてもらう。…

フロムアクアストーリー

北アルプスに向かった8月7日早朝、連れが購入したミネラルウォーターには、なんとスイカペンギンのフィギュアが!! 夏の恒例となりつつある天然水フロムアクアのキャンペーン。そうか、もう始まっていたんだ。山から戻ったら大人買いに走ろうっと! がしかし…

駅弁、しのぎをけずる!

東京、信濃大町間を走る特急あずさは本数が少なく、大方は松本まで大糸線を乗り継がなければならない。しかし、ゴトゴトと小さな車両に揺られながら、ビールを片手にゆったりとした時間を過ごすのも、旅の一興である。8月9日、温泉でリフレッシュし爽やかな…

心地よいもの 美味いもの

針ノ木から扇沢へ降りた我々は、生ビールにつられて黒四ダムの観光客で賑わうレストランに入った。軽く食事をとり、2時すぎにホテルに到着する。15分ほどとは言え、大柄の女性を背負って雪渓を登った連れの足の筋肉痛は大変なものであるらしく、すぐに温泉に…

背負うもの 雪渓を歩く

8月7日(土)新宿、午前7時30分発の特急「あずさ」で信濃大町へ向かう。今回は連れが北アルプスで唯一足を踏み入れてなかった山、蓮華岳登頂が目的である。北アルプスには数え切れないほど足を運んでいるはずだが、何故かこの山には縁がなかったという。扇沢…

湯河原再訪(男語りき)

こうジメジメうっとおーしくては、やはり温泉で汗を流すが一番。本日(7/10)は例の偶数日ってことで、極上のお湯に浸るべく、いそいそと湯河原に向かったものだ。さて、だだっぴろい休憩室の窓際の席にて、連れとは一時間後に待ち合わせということに。粒子…

湯河原再訪

「湯河原の湯は良かったね、とろっとしててさ、また行きたいな」 「そうそう、肌もつるつるになった」 「でも肝心の風呂場が閉塞的で残念だな」 「えっ? 山が見えたよ。高山ばかり登っている人は、低山の連なりが閉塞的に感じてしまうのかな・・・」 「ヤマ? …

雨を観る 山を観る

久しぶりに鎌倉の料理屋「まき」に足を運んだ。お通しは枝豆と鰊の甘露煮。鰊はどうも好きになれず、甘露煮も苦手である。これは連れも同様だが、残してはまきさんに申し訳ないと、連れの分まで飲み込んだ。しかし枝豆の塩加減は絶妙。鰹を頼む。ふた月ほど…

花の女 フランソワーズ・ジロー マティス、ピカソとともに

日曜美術館「ピカソを捨てた花の女 かっての恋人が語る巨匠の姿」(23日放送)を見る。画家フランソワーズ・ジローはナチス占領下のパリでピカソと出会い恋人となった女性だ。ピカソとの関係は10年におよび、二人の子どもをもうけている。娘はジュエリー・デ…

美しい目 山路の行く手

鬱蒼と木立の茂る山路の行く手、何かが私たちを見ている。後方で啄木鳥が樹を叩く音・・・。残雪歩きも心地よい、木崎湖畔登り口からの小熊山トレッキングは終盤にさしかかり、我々は黒沢高原へのルートをはずれ、猿ヶ城峰の分岐から海ノ口側に下ることにしたの…

象嵌の花

花冷えが続き、桜花命を長らえている。今宵は寿司屋で一献。早く出でる可し!との連れの誘いに、いそいそ現地にいってみればそこは長蛇の列。安くて美味いと評判の○○○寿司のこと、さして驚きもしないのだが、さて当の本人は何処かと探してみれば、植木囲いの…

鎌倉彫重箱

東京の桜もついに開花した。鎌倉彫の二段重箱に弁当を用意していたが、思わぬ寒さに花見を断念。そこで江戸末期の絵師による「月下に山桜」の軸を掛け、屋内花見と洒落込んだ。口切の菜は筍、蕗の炊き合わせだ。春の香りに酒もすすんだものである。

一汁三菜の心がけ

旬のもの、食べたいものは飽きるまで毎日でも、という人も多い。そこで思い当たる当方、朝食を主に、一週間の食生活を検証してみた。一汁三菜を心がけている朝食。今週は半月前まで主菜の座に君臨していた焼魚が姿を消している。雪もちらつく寒い日が続いた…

牡蠣数寄人

牡蠣の美味い季節である。牡蠣好きの諸氏、その食べ方にこだわりは多い。「生が一番、キリッと冷えた白ワインでね」と皿一杯の生牡蠣を次から次へと飲むように口にする牡蠣豪傑。「生牡蠣はダメ、厚い衣のフライもダメ、しかしごくごく薄い衣に包まれたフラ…

花のみちびき

陽気に誘われ、長谷寺への道を歩く。寺の門をくぐると、紅白の梅が満開であった。明日から2月、鎌倉はすっかり春の装いだ。うららかな陽射しに福寿草も咲き出した。寄り添うように咲く姿が愛らしい。高徳院の大仏に参拝したのち、折りよく来たバスに飛び乗り…

睦月の道楽

早いもので2010年の1月も終わり。瞬く間に過ぎ行く月日を実感する。さて今月、特筆すべきことは…。8日午後、釜をかけていると案内のあった老舗古美術商を訪ねる。柿色無地の着物に、プラチナ地に大きな鱗文様の袋帯、帯揚げ帯締めは若草色と、正月気分さめや…

正月の宴

正月3日、例年のごとく茶友を招いた。前日に道具を組み花を決めると、すっかり安心してしまい、当日は刻限間際になってあたふたする始末。客の到着30分前にようよう着物に着替えたものだ。客は茶の湯を楽しみながらも真面目に取り組んでいる6名。こちらはこ…