駅弁、しのぎをけずる!

izaatsuyoshi2010-08-14


東京、信濃大町間を走る特急あずさは本数が少なく、大方は松本まで大糸線を乗り継がなければならない。しかし、ゴトゴトと小さな車両に揺られながら、ビールを片手にゆったりとした時間を過ごすのも、旅の一興である。

8月9日、温泉でリフレッシュし爽やかな気分で、12時36分発の大糸線に乗り込み松本へ向かった。晴れていれば北アルプスの山々が眺望できる車窓からは、この日は厚い雲に蔽われた空が見えるばかりである。「山の上の連中、今頃、苦労しているだろうなあ!」と、連れがつぶやく。

かつて松本で途中下車して蕎麦屋に立ち寄り、馬刺しに舌鼓をうったこともあったが、この日は乗り換えがスムーズなこともあって、ホームで待機している13時47分発のあずさに乗り込むことにした。

さて、午後2時前とあってはお腹の虫も鳴き出して、車内販売で二つの駅弁を購入した。

まずは「ミックスサンド」、500円也。玉子(2切)・ツナ(2切)・ハムカツ(1切)と王道の具材である。ひと口ほおばった連れは、「少しハムカツのソースの味が濃いようだが、うん、あとは美味しいよ!」と大きく頷いた。駅弁にさして期待をしていなかった我々だが、ビールにもよく合い、なかなか美味かった。

続いて「信州 黄金シャモめし」をほおばる。黄金シャモは信州ブランドだそうで、この弁当を購入した理由でもある。1000円也。外箱には「お品書き」と題してメニューが書かれてあった。

  • ご飯 シャモガラスープ炊き込みご飯(長野県産コシヒカリ
  • 信州黄金シャモモモ肉照り焼
  • シャモ胸肉塩焼 焼き長ネギ添え
  • シャモ手羽肉ササミとマイタケ コンニャクササガキゴボウの煮付け
  • 五平餅クルミ味噌だれ
  • 野沢菜漬油炒め
  • 信州塩尻桔梗ヶ原産ワインゼリー
  • お漬物木曽産赤カブ漬

箸を取り上げて連れが言うに「これもいいね! なかなか美味いよ。ご飯もいいし、シャモが香ばしい!、全体的に薄味で品もいい、食べてごらん?」

2つの弁当を連れと仲良く分け合って、ビールを飲みながらほど良い分量。製造は「ミックスサンド」とともに、塩尻市の(株)カワカミ、箱には「中央線塩尻駅の駅弁 創業明治40年」と記載があった。

駅弁に美味いものなし、とは過去のことだ。信州には有名な「峠の釜めし」もある。各社、しのぎをけずって生き残りをかけているのだろう。こういう駅弁に出会えると、旅もますます楽しくなるというものだ。