大糸線にて笑う

izaatsuyoshi2009-08-16


祖母谷温泉での早朝の目覚め…昨夜からぐっすりと眠り、気分がいい。

連れを起こし、内風呂に向かう。かけながしの湯は、同時に水がそそがれており、ぬるめの温度になっている。露天も良いが、大きな石の湯船のあるこの内風呂は、秘湯の趣きがあり、なかなか良かった。

畳敷きの食堂には、座卓が8脚ほど並んでいる。早々と昨夜と同じ席に座し、湯上りにビールを飲む。主人が朝食用に並べた漬物を肴に、朝のビールはことさら美味い。連れは、50個ほども入ったラッキョウの瓶詰めをかかえ、次々に口にほうりこんだ。度をはずれたラッキョウ好きに、主人もいささか呆れ顔だ。

気分上々、宿を出て、欅平まで30分ほど道を下る。本日はトロッコ電車で宇奈月温泉に出、新魚津、糸魚川で乗り換え、大糸線信濃大町までの旅だ。

生活路線での移動は時間がかかるが、地元の人々との交流もあり楽しいものだ。宇奈月では地ビールを買い込み、景色を眺めながら、苦味のある黒ビールを味わった。新魚津では、駅前のうどん屋に入り昼食をとった。店内は、夜にはスナックに変貌するような造作で、あたりの柔らかいおかみが一人で奮闘中であった。糸魚川では、乗り換えまでの1時間半の間、海までぶらぶらと散歩し、また歴史のある天津神社に参拝した。連れは酒店に入り、新潟銘酒「加賀の井」を購入する。

大糸線に乗り込むと、地元のご婦人が「景色がよく見えるから」と窓側の席と替わってくれた。「天気が良ければもっともっと美しい川の流れが見られたのに…」と私たちのためにしきりに残念がった。

南小谷でまたも乗り次ぎ、最前の車両の座席に座る。すると運転席の後部に見慣れない表示を発見。
お願い 「運転中は、話しかけないでください。」 
その横には、肩をすくめてうなだれる?運転手のイラスト。よほど困ったことがあったのか? 連れは、この表示に大いにはまり、笑いが止まらない。運転手と和やかに会話をかわす、地元の人々を想像するが、首都圏では考えられない光景である。

信濃大町に到着したのは、午後5時を少しまわっていたか。朝8時半に祖母谷温泉を出て、乗り換えを重ね、1日がかりの列車の旅となった。

くろよんロイヤルHに到着すると、すぐに湯に浸かり身体の疲れを癒した。夕食は待望の吉兆だ。造りのスズキと甘海老がいまひとつであったが、総じて美味い。安心して食べられる数少ない店である。馴染みのマネージャーと軽口を交わしながら、舌鼓を打った。

献立

  • 先付け 焼茄子の山かけ
  • 煮物椀 胡麻豆腐 蓮餅
  • 造 り  スズキ 甘エビ
  • 八 寸  押寿司・玉蜀黍揚・海老香揚ほか
  • 飯    信州牛 山芋飯
  • 水菓子 

翌11日帰京する。