2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

蓑虫や

「みのむしやなかなか こえのおもしろし」先日来時折、石川丈山の句が頭をよぎる。この句に接するとき、心晴れやかであるのか、悩みを抱えているのか…。人それぞれ思い浮かべる鳴かぬ虫の声には、ひとつとして同じものはなかろう。下記にリンクする実に興味…

蓑虫や 酒宴にて

蓑 虫 也 中 々 声 能 面 白 支江戸初期の隠遁者、石川丈山の句である。家康の諜報者といわれるが、数寄者としても名を成した人物だ。 「みのむしやなかなかこえのおもしろし」 何を想ってこの句を詠んだか…いずれにしろ丈山の当時の心境を伝えるものではあ…

八ヶ岳 煌々たる満月

7月19日、八ヶ岳に向かう。新宿7時発のスーパーあずさに乗ろうと家を出たが、さすがに3連休の初日、発車20分前のホームには、すでに長い列が出来ていた。そこで続く18分発のあずさに乗車、10時前に茅野に到着した。茅野からバスに1時間ほど揺ら…

朝茶事

多忙にまぎれ、このところ茶事から遠ざかっているが、こうも暑い日が続くと、午前5時のひんやりとした空気の中で始められる朝茶事が恋しくなる。仮想の朝茶事でも記してみようか。蜩が鳴きはじめる午前4時のうすもやの中、亭主は路地に打ち水をする。徹夜…

絵唐津向付「赤烏賊」

湯通しをした小振りの赤烏賊、その甘く柔らかい身に、少量の山葵を乗せて食す。桃山期の絵唐津に盛り付けてみた。往時、美濃の織部や志野、黄瀬戸、そして遠く唐津でも、画期的な意匠の懐石の器が盛んに作られている。特に絵唐津は人気を博した。この器から…