2017-01-01から1年間の記事一覧

行楽弁当

師走17日、箱根に向かった。ロマンスカーのシートに座り、おもむろに弁当を取り出すと、連れは大きなザックの中を何やらモゾモゾ。取り出したのはなんとスパークリングワイン。何でも宝くじ整理で5000円ゲットしたらしい。 「朝から? 車内で? 飲むわけ?」…

芳香

百合の芳香は甘くねっとりとして、花を抱いて帰る車中では、人様を不快にせぬかと不安になった。帰宅して着替えもせぬままに水切りをし花をいけた。玄関に飾った花々の芳香はいよよ満ちて、眠れずに朝を迎える部屋の中まで忍び寄ってくる。

行楽弁当:河口湖・箱根

連れと二人、週末に繰り出すのは温泉地までの小旅行。このところは箱根を月いちで訪ね、もう一度はゴルフや所要を兼ねての温泉地巡りというところだ。朝食は弁当を持参して、車窓を楽しみながらいただくのが常。11月は河口湖と箱根に赴き、車中で弁当を開い…

猫、参謀となる

箱根には2ヶ月に一度ほども通っているだろうか。このところは広大な池が広がる旧岩崎家庭園に立つホテルを訪れている。なにしろこの池には幾百もの鯉が生息しており、連れは彼らに餌をやるのが何よりの楽しみなのである。温泉を出てテレビで女子ゴルフを観戦…

小千谷縮と吉兆と

8月10日、ゴルフと温泉を楽しみに、新宿7時30分発の特急あずさに乗り込む。連れの目的はもちろんゴルフであるが、私はと言えば和服を着て夕食に出かけること! 楽しみは何であれ、車中の人となれば3時間半のちには信濃大町に到着である。読者諸氏にはよくよ…

庭を見る

連れの所要に便乗し、猛暑のなか京都に出かける。「白沙村荘 橋本関雪記念館」を初めて訪れる。ここは京都画壇の一時代を築いた画家、橋本関雪の理想郷である。関雪は終生、作庭を楽しみ、また古美術を愛し収集した。東山大文字を借景にした庭園には、平安か…

高津川の鮎

「鮎が食べたい! ろばたかに行こうか」と連れ。6月も終わり、はや今年も半年が過ぎる。ろばたは茶懐石も手掛ける銀座の老舗。電話で鮎を所望すれば、市場一番の鮎を仕入れてくれる。この日は島根県高津川の鮎。身は細いがしなやかで、若い女のような鮎であ…

「リアルのゆくえ 高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの」

リアル(写実)のゆくえ〜高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの作者: 土方明司,江尻潔,木本文平,山田真規子,土生和彦,安部沙耶香,品川ちひろ出版社/メーカー: 生活の友社発売日: 2017/04/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件)…

ゴルフクラブと大島紬

4月29日朝、信濃大町まで直通の7時30分発のあずさに乗るか、それとも松本止まりで乗り換えをしなければならぬひとつ前の臨時特急に乗るか、いつものように指定券を購入しない連れと私は、新宿駅のホームで選択の自由を満喫していた。「雪に覆われた北アルプ…

日本橋の桜 

春月や ビルの合間に 花の合間に (敦煌)2013.3.29 夜桜 - 寿福千年録

即興蓬莱山

連れと久方ぶりの箱根に出かけた。朝御飯に携えた弁当は、牡蠣と生姜の炊込ご飯に唐揚、出汁巻玉子、ブロッコリーの塩ゆでと、いたってシンプル。牡蠣が大好物の連れはご飯を口に運んで一言。 「今年はこれを最後にしよう。旬の牡蠣の美味さは失せたね」とは…

遅咲きの梅

昨秋、伸び放題であった庭先の梅の徒長枝を大々的に剪定した。 花数は少ないが今年も初々しい花を咲かせてくれた。 本格的な春の訪れとともにこの梅は開花、道行く人はしばし足を止めて憩う。

『パットお嬢さん』 ルウシイ・モード・モンゴメリ

パットお嬢さん作者: モンゴメリ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/07/12メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る ご存知『赤毛のアン』の作者、モンゴメリの作品、少女時代に読んだ本である。帰郷した折、懐かしい思いで手に取ったものだが、「銀…

ヘデラベリー

子供時代に買ってもらった『おやゆび姫』は大好きな絵本だった。 何より絵が好きだった。カエルも鳥も草花も、とてもリアルに描かれていた。チューリップの花びらの舟にはおやゆび姫が乗っていたはずなのに、不思議なことに彼女の姿は思い出せない。だけど青…

明月庵 ぎんざ田中屋

連れの舌を満足させる店は東京にいくつあるのだろう。懐石に美味い店はあるが、そうチョクチョク行けるわけでもない。蕎麦の老舗「ぎんざ田中屋」は季節の一品料理に工夫があり、このところ週一で訪れる店である。新春1月にはすでに若筍の料理が出揃い、この…

山上の茶事(七)

福とは? 1月3日、鎌倉の数寄者、居合仲間を招いての新春恒例の茶事、本年も水屋に侍ることとなった。客は11名、亭主、水屋方を含め総勢14名である。昨年の料理不足の轍を踏まぬよう、7キロにもなる料理を携えたものだが、この度は客からも沢山の料理が持ち…