美術館
府中市美術館にて 会期(2022年12月17日‐2月26日)も残すところ1週間となり、2月19日日曜午前、「諏訪敦 眼窩裏の火事」に飛び込む。 ヨーロッパの名画が並ぶ招来展のような混雑はないが、会場を見渡せば来館者は20代から中高年までと年齢層も幅広く、客足は…
アーティゾン美術館にて 福岡県久留米市に生まれた同い年の画家、青木繁と坂本繁二郎の生誕140年を記念する展覧会。 www.artizon.museum 「海の幸」や「わだつみのいろこの宮」などの傑作を残し、肺結核を患い28歳で逝った青木繁。坂本繁二郎はその没後、遺…
練馬区立美術館にて 「香月泰男展」の最終日(3月27日)が近づき、ようよう重い腰をあげた。混雑を嫌い開館を待って入館する。一番乗りは初めてであったか。連れはこの3月のアートフェア東京で、香月のある作品に興味を持ったが、購入するまでには至らなかっ…
東京ステーションギャラリーにて 緊急事態宣言により休館を余儀なくされていた東京都の美術館。休館明けの6月初旬、東京ステーションギャラリーで開催されている話題の展覧会「昭和のキャバレー王が愛した絵画」に足を運んだ。何とも艶っぽい美人画を中心に…
東京ステーションギャラリーにて 10月24日、朝10時の開館を待って、東京ステーションギャラリーに飛び込む。「もうひとつの江戸絵画 大津絵」は、所蔵歴に焦点を当て構成されたもの。それ故、惹句は「欲しい! 欲しい! 欲しい!」。江戸期においては安価な土産…
箱根 ポーラ美術館にて4連休を何処で過ごそうか、連れと実りのない会話を繰り返した昨今。詰まるところ足を向けたのは、いつものごとく箱根であった。連れはゴルフに2日を費やし、そろそろ違うこともしたかったであろう。ポーラ美術館で開催の「モネとマティ…
12月1日、三井記念美術館にて「高麗茶碗展」を見る。最終日で展示ケースの前には人々が列を成していた。 見応えがあった。たまに茶の湯の世界にどっぷりと浸かるのもいい。美術館を出て、コレド室町で中国茶を飲む。小さな菓子が添えられてくる。品がよく、…
縁あってこれまで美術館に見に行くほどの興味を持たなかった「東山魁夷展」を訪ねることになった。巧みな構図、達者な筆使いなど感嘆させられること多々あるが、何よりも画家の清澄な心を感じさせる。これこそ東山芸術の最大の魅力と言えようか。
連れと二人、週末に繰り出すのは温泉地までの小旅行。このところは箱根を月いちで訪ね、もう一度はゴルフや所要を兼ねての温泉地巡りというところだ。朝食は弁当を持参して、車窓を楽しみながらいただくのが常。11月は河口湖と箱根に赴き、車中で弁当を開い…
リアル(写実)のゆくえ〜高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの作者: 土方明司,江尻潔,木本文平,山田真規子,土生和彦,安部沙耶香,品川ちひろ出版社/メーカー: 生活の友社発売日: 2017/04/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件)…
このところ温泉から遠ざかっていた当方、8時30分新宿発のロマンスカーに乗り込み、連れとともに一路、箱根を目指した。今回の箱根行きは何かと話題の岡田美術館を観るためでもある。岡田美術館は、長く所在が不明であった喜多川歌麿の肉筆画発見のニュースと…
三菱一号館美術館にて連れと待ち合わせ「画鬼暁斎」を見る。本日は渦巻文の藍の単衣に唐草紋様の半幅帯、白足袋に下駄を合わせて、いざ暁斎の世界へ。ジョサイア・コンドル(1852-1920)が三菱一号館を設計したことから企画された今展では、コンドルが師事し…
西欧の美術館は寄贈作品で成り立ったものが少なくない。例えば、ピカソの遺族は莫大な相続税をピカソの作品で納めたが、これをフランスは大いに歓迎した。ピカソの傑作は永久に国内にとどまり、設立した美術館には多くの人々が訪れる。これは即ち外貨獲得の…
パナソニック汐留ミュージアムは小規模会場ながら、大画家の招来展を開催する美術館である。今回は形而上絵画の巨匠デ・キリコ展。 何度かテレビでも紹介されたこともあり、終了日も迫るとあれば入場制限を行うほどの人気ぶりである。連れが言うには「すごい…
テレビ朝日系列で大々的に宣伝をしている「チューリヒ美術館展」。出品作の大半は、極めて日本人好みの画家の作品であり、この手の展覧会では変わり映えのしないラインナップ。見送ろうと思っていたが・・・先日見た「ホドラー展」で、セガンティーニの名前…
「躍動する生命のリズム―スイスが誇る異才、40年ぶりの大回顧展」このコピー通り、これほど多くのフェルディナント・ホドラーの作品を見たことはない。貧しい家庭に生まれ肉親を早くに失い、前半期の作品には「死」や「憂鬱」のイメージがつきまとう。しかし…
9月19日「ヴァロットン― 冷たい炎の画家」展に出かける。これまで意識することのなかった画家だが、この機会にじっくりと見てみたい。人生をシニカルな目で捉えた作品は笑いを誘うが、一方、画家の心の奥底に潜んでいる非情にグッと来るものがある。傲慢、物…
気掛かりな仕事から解放され、2ヶ月ぶりに晴れ晴れとした心持で迎えた土曜日。早朝4時半に脚立を抱えて庭に出た。さて、黄色く色づいた梅の実を収穫するとしよう。 まずは肩から袋を袈裟にかけ、脚立に登る。そして手の届く限りの実へと腕を伸ばす…お次は脚…
東京富士美術館を訪れるのは、はじめてである。八王子駅からはバスで10分余りとのことだが「印象派展」の最終日のためであろうか、乗り場には長い長い列が出来ていた。待つことが苦手な連れは、すぐさまタクシーを拾った。郊外をしばし走ると、丘の上に大き…
井戸茶碗70余点が並ぶ空前絶後の展覧会、最終日の本日、混雑を避けて開館時間の10分前に並んだものだ。会期半ばに展示変えがあり、本日は2回目、連れに至っては3度目の訪問である。今回は後期出品の小井戸「老僧」が目当て。小井戸ながら、大井戸に負けない…
学生時代からギュスターヴ・モローは好きな画家のひとりであった。モローは自らのアトリエを美術館として後世に託した。初めてのパリで、この美術館を訪ねた際は、モローがここで暮らしていたのかと感慨を深くしたものであった。今展は、モローと師弟関係に…
ゴールデンウィークは最終日を迎え、人々は日常へと帰り支度を始めている。5月6日、Uターンラッシュをよそに、静岡に向かった。静岡市美術館で「藤田嗣冶渡仏100年記念 レオナール・フジタとパリ」を鑑賞する。1913年、新妻を日本に残しフランスへと旅立っ…
三菱一号館美術館で、印象派の殿堂『奇跡のクラーク・コレクション』を見る。珠玉の作品を見るため朝から多くの人が詰めかけており、人気のほどがうかがえた。年配の男女の姿が多く見られたが、この偉大なコレクションに彼等の関心が向くことは容易に理解出…
早朝から料理の腕をふるい、鎌倉彫の重箱にあれやこれやと詰め込む。弁当を携え、残雪の箱根に向かうことにしたのだ。良い天気である。 ロマンスカーに乗りこむと、連れはビールを片手に、早速重箱の蓋を開けた。飯は、言わずもがなの連れの好物、牡蠣の炊き…
朝から降り続ける雪。新成人たちにはあいにくの天候となった。ニュースの映像では、この日のために選んだ華やかな振袖に、冷たい雪が降りかかっている。 その光景に、ある日の出来事が思い出された。10年以上も前になるだろうか。茶の湯の恩師の計らいで根津…
シャルダンの静謐な世界を堪能する。リーフレットのコピーは《国王ルイ15世やエカチェリーナ2世を魅了した、静かなる美》鑑賞後、ミュージアムショップでカレンダーを購入、来年の我が家では、美しきシャルダンが季節を教えてくれることになった。画像はポス…
厚く雲が垂れ込めた早朝、東京駅から新幹線に乗り込み岡山を目指した。岡山県瀬戸内市内、小豆島を望む風光明媚な牛窓町は、洋画家佐竹徳が40年にわたり過ごした土地である。彼は最晩年、牛窓町に多くの作品を寄贈(現・瀬戸内市立美術館所蔵)した。瀬戸内市…
静岡駅前の松坂屋に大きく掲げられた看板から眼が離せなくなってしまった。「フィンランド」「くらし」「森の生活」のワードに誘われ、吸い寄せられるように静岡市美術館へと向かう。エントランスには、見慣れたテキスタイルが掲げられている。展覧会構成 《…
間隙を縫って訪れた三井記念美術館で「茶会への招待ー三井家の茶道具」を鑑る。毎々、三井家の財力と眼力の高さに脱帽する。折り目正しい来歴、保存状態、道具自ら堂々と構えて揺らぎが無い。唐物肩衝茶入「遅桜」や志野茶碗「卯花墻」(国宝)、黒楽茶碗「…
東京国立近代美術館で「パウル・クレー おわらないアトリエ」を観る。入館したのは午後5時少し前であったか・・・週末は夜8時まで開館しており、また明日がこの展覧会の最終日であるため、入り口にはチケットを求める人々が列を作っていた。さて、老若男女で…