2020-01-01から1年間の記事一覧

Santa Claus Is Coming to My Home

拙宅にて クリスマスイブである。勤務先を通常より早く出て19時過ぎに帰宅、すぐに料理にとりかかった。時間はないが、先日、取り寄せたワインと料理のクリスマスセットが最強の味方となってくれるだろう。まずはトマトとチーズ、レタス、オリーブの簡単なサ…

今年もいせ源

神田須田町 いせ源にて 鮟鱇鍋の名店、いせ源に向かう。外食は久しぶりである。例年、店の前には列が出来る人気の店だが、前日に電話で混み具合を尋ねると「このご時勢ですから、すぐにお入りになれますよ!」と男の声が帰ってきた。さて、玄関に設置されて…

自分にご褒美?

拙宅にて「今夜はステーキを焼こうかな」と連れからメールが入る。はあ、さようで…「楽しみです」と返信した。夕刻、「吟味して、ステーキ用フィレとモモ肉買った。6200円!」とメールが入り、「バカじゃないの?」と返信した。すると「帰るのを待って焼き始…

ボッティチェッリ「聖母子(書物の聖母)」

拙宅にてコロナ禍に悩まされ続けた1年であったが、我が家の小さなクリスマスは例年通り、本棚の上にやってきた。 ボッティチェッリの「聖母子(書物の聖母)」とダ・ヴィンチの「聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ」、どちらの絵葉書を飾るかが毎年の思案どころ…

紅葉の庭を歩く

実家にて 今年も5人の茶友が紅葉狩りにやってきた。コロナ禍のため、昼食のもてなしは諦め、午後一時半の集合とした。両親はこの日のため入念に庭を整え、当方は母や妹とともに昼食に代わる土産の用意に勤しんだ。土産は母の得意料理、セイロで蒸し上げた栗…

岩手県産やりいか

拙宅にて このところ週末に急な出張が入り、連れとの約束を果たせずにいる。そこで不義理のおわびにと、何か美味いものを探しに、丸赤に立ち寄った。目に止まったのは岩手県産のやりいか。生とボイルの二つの食感が楽しめそうである。 生はトロリとして甘く…

もうひとつの江戸絵画 大津絵

東京ステーションギャラリーにて 10月24日、朝10時の開館を待って、東京ステーションギャラリーに飛び込む。「もうひとつの江戸絵画 大津絵」は、所蔵歴に焦点を当て構成されたもの。それ故、惹句は「欲しい! 欲しい! 欲しい!」。江戸期においては安価な土産…

グザヴィエ・メルリ「秋」

拙宅にて 落葉の頃、必ず飾る絵葉書がある。ベルギー象徴派の画家、グザヴィエ・メルリの「秋」。メルリは1845年、ブリュッセル郊外ラーケン生まれ。ブリュッセル美術アカデミーに学び、1870年、ローマ賞を受賞した。1892年、ファブリ、デルヴィルとともにグ…

冬瓜と牛肉のすだち煮

拙宅にて 10月も半ばとなり、秋ならではの食材が食品売場の店頭を飾っている。栗やキノコの王様 松茸や平茸、そして年中見かける椎茸やシメジ、ナメコまで、よりツヤツヤとして見える。その傍らに、肩身も狭そうに冬瓜が並んでいた。今年の夏は暑かった、冷…

菊花の和え物

拙宅にて 野菜売場に食用菊が並ぶ頃となった。食用菊は、秋の食卓を彩る重宝な食材であり、茶懐石では預鉢に最適な和え物となる。本日は、春菊とエノキダケを取り合わせ土佐酢で和えてみた。 春菊は連れの好物であるが香りが強く、出汁の風味を味わいたいな…

月見

拙宅にて 3日間の出張から戻ると、玄関に3本の芒の穂。なんと粋な出迎えであろうか。早速「芒見た?」と連れがニヤリ。立派な鷹の羽芒である。水切りをして籠に入れ、栗の甘煮を白磁の皿に盛り並べてみた。栗名月にはひと月ほど早いが、風流この上なし。今宵…

野の花

実家にて 4連休の初日、幾月か振りで帰郷した。老齢の両親は顔色もよく安心したものである。両親が丹精した朝顔と夕顔は彼岸の大気のなかでまだ花を付けていた。毎年、お盆休みには朝顔鑑賞会と称して、早朝の庭でおめざをいただくのが楽しみのひとつである…

モネとマティス もうひとつの楽園

箱根 ポーラ美術館にて4連休を何処で過ごそうか、連れと実りのない会話を繰り返した昨今。詰まるところ足を向けたのは、いつものごとく箱根であった。連れはゴルフに2日を費やし、そろそろ違うこともしたかったであろう。ポーラ美術館で開催の「モネとマティ…

正午の茶事(稽古)

師の茶室にて: 1999(平成11)年10月24日 社中では、稽古の曜日ごとにグループを組み、亭主と客を代り番で茶事を学んだ。水屋には幾度も入り勉強させていただいたが、初めて亭主を経験したのは、1999年の秋も深まりゆく頃、師の茶室においてであった。亭主経験…

玉紫陽花

実家にて 今夏は実家に帰らなかった。百日紅、夏水仙、女郎花、我亦紅、朝顔、そして夕顔…庭は数々の花に彩られているだろう。 そろそろツクツクボウシも鳴き始める頃か、玉紫陽花の花が開いたと妹から画像が届く。

正午の茶事

実家にて:2003(平成15)年11月24日 植物好きの両親は庭の手入れに余念がない。5月の連休には必ず訪れる茶友たちに、草木をお分けすることは母の大きな楽しみである。 実家の、入母屋造り総二階建ての母屋は明治末に建てられたもので、1975(昭和50)年に元の…

茶信

拙宅にて:2003(平成15)9月 猛暑の中、連れは相変わらずのゴルフ三昧、当方は整理の傍ら、茶信を納めた箱を紐解いてみた。懐かしく皆様の文字をたどる。茶事に招かれるごと届く、師や先輩の筆に倣い、幾度も書をしたためた往時がよみがえる。 すると拙宅で開…

見えない富士

十国峠から箱根湯本へ 「十国峠に行かないか? 一度も登ったことがないんだ。函南ゴルフ倶楽部から見えるんだよ」と連れが言った。 十国峠は、孤高の画家 金山平三がこの地より極寒の富士を描き、太宰治が『富嶽百景』に取り上げた富士山の展望拠点として知…

茶名披露の茶事

実家にて:2002(平成14)年11月10日 実家において私が亭主となり茶事をしたのは計3回、過去の記録を紐解けば、2002年11月10日、2003年11月24日、2005年10月17日であった。 2002年の折は茶名披露の茶事で、社中の先輩I氏とともに亭主を務めた。このI氏、少々…

鳥海青児という画家

鳥海青児という画家に興味があればこの本がオススメ。471ページの力作、価格はお高め、図書館利用がオススメ。大いなる奇人ぶりが楽しめます。鳥海青児絵を耕す作者:原田 光メディア: 単行本

大津絵 ヒョウタンナマズ

鳥海青児の大津絵 鳥海青児という洋画家をご存知だろうか。1902(明治35)年、神奈川県平塚生まれ、本名は正夫という。15歳の頃、小遣いで油絵具を買って絵を描き始めた。1921(大正10)年、関西大学に入学、翌年、当時流行した姓名判断に従って青児と名乗っ…

梅雨入り近し

拙宅にて 我が家の梅の木は2年に1度、大量の実をつける。昨年、豊作であったので、今年は小さな実のまま落ちてしまった。一本の木にも法則があり、不思議なものである。一方、ドクダミの花は今年も満開を迎えた。こちらも法則通り、適した場所に勢力図を拡…

初炭手前

拙宅にて 初炭手前の稽古をする。仕事を終え20時頃に稽古に駆け込む私は、炭手前の稽古に間に合うことは稀であった。そうであっても、師が繰り返した「炭おくはたとひ習ひに背くとも湯のよくたぎる炭は炭なり」という利休百首は耳に残っている。胴炭をうまく…

続き薄茶

拙宅にて 今朝も続き薄茶の稽古をする。紅葉の頃、師や社中の友を東京から2時間ほどの実家に招き、茶名披露をしたことが懐かしく思い出される。 この折は、同時に茶名をいただいた道具好きの先輩とともに二人亭主となった。彼は初炭と濃茶を、私が懐石と薄茶…

野山の恵み届く(参)

拙宅にて 早朝に起きて、続き薄茶の稽古に勤しむ。茶事にうつつを抜かしていた頃の私は、点前そのものにはさほど興味がなく稽古も怠りがちであった。社中の仲間から「先生はあなたに目をかけていらした」と聞くと、今さらながら悔やまれる。厳しくも、茶事の…

野山の恵み届く(弐)

拙宅にて 昼:献立 肴・こしあぶらの天婦羅 ・筍の山椒煮 ・めんたいこ 椀・蕎麦夕:献立 肴・法蓮草の煮びたし ・ポテトサラダ 飯・筍ごはん 汁・豆腐と葱の味噌汁本日も筍とこしあぶらが主役。 外出自粛により、食材は保存のきく根菜類、米、乾麺などがど…

野山の恵み届く

拙宅にて 昨日朝、宅急便を受け取った。箱をあけると、40㎝ほどもある筍3本と、こしあぶらや山椒の葉など野山の恵みがいっぱいに詰まっていた。妹からであった。妹の嫁ぎ先の屋敷の裏手には大きな竹林があり、昨日午後、義弟が掘りあげてくれたのだという。…

晩春

拙宅にて 今春の最後を飾る椿は、八重咲の大輪。落花のごと 寂寞たりし 春を見送る

盆略点前

拙宅にて テレワークは時間の割り振りが自由である一方、共通認識が甘かったり、仕事の進捗にズレがあったりと、大なり小なりストレスが発生する。そんな時は無心で茶の稽古をする。これが私の一番のストレス解消法であるようだ。毎週、稽古に通っていた頃は…

淡如雲

拙宅にて おうい雲よ ゆうゆうと 馬鹿にのんきそうじゃないか どこまでゆくんだ ずっと磐城平の方までゆくんか (山村暮鳥「雲」より) 時折、父は雲の行方を追いながら「おうい雲よ」とつぶやく。 父の「雲」好きは、暮鳥の詩への感銘によるものと聞いてい…