植物

花見弁当

吉祥寺 井の頭恩賜公園にて 今年の桜の開花は例年になく遅れている。天気も良好の4月10日、幾年かぶりで吉祥寺に花見に出かけることにした。 前日19時前に、食に独特のこだわりを持つ連れと待ち合わせ、食材を買い求めた。この季節に外せない筍御飯は、鶏肉…

春の宴

実家にて 3月24日、姪の友人5名が昼過ぎに実家に到着した。 一番に親しい友人はおめでたで、産後はオーストラリアに移住するという。お祝いと送別を春の陽が彩る、女子のみ参加の宴の開幕。 ウェルカムドリンクはシャンパン。姪と鼻歌交じりで作った前菜をお…

椿いろいろⅡ

実家にて 先般、拙宅に持参したもう一種の椿の名は「玉霞」というそうだ。蕾が膨らむにつれ桃色の絞り模様が顔を出す。 椿とともに持ち帰ったトサミズキは、温かな室内で庭にさきがけて開花した。 その一方、椿にはあわせて6輪の蕾が付いていたが、半分は開…

椿いろいろ

拙宅にて 実家では椿が盛りである。 母は、茶を嗜む方の来訪があれば椿園に案内して分けて差し上げている。 私も東京の家に持ち帰った。恩師が健在ならお届けしたものと、花を抱えながら思う。 ドイツのビールジョッキにトサミズキと生ける。紅妙蓮寺と、さ…

真夏の花見

実家にて 8月に入ると父が丹精した朝顔と夕顔は、次々に知人にもらわれていく。その前に花見をしようと、7月30日早朝5時半、庭にテーブルとイスを並べて茶と菓子をいただいた。 母は茶を飲みながらも鉢が気になり、花の特徴を記した厚紙を鉢に置いて「これ…

松花堂弁当 花七種

実家にて 妹の社中仲間を招いての正午の茶事。 客はご懐妊の女性とその母、米寿を迎えた社中の御長老と、女性3世代の目出度い席であった。 当方は初めて松花堂弁当を手掛ける。画像は今回も茶事の後に義弟と妹に用意したもので残り物感満載、盛り付けも気が…

五月の庭で

実家にて 石の上に何年生息しているだろうか、ユキノシタは花盛り。 カシワバアジサイ アスチルベ アワモリショウマ モモノハギキョウといただきもののチドリソウ。 サツキもちらほらと咲きはじめた5月下旬の週末、ミツバシモツケも盛りを迎えた。 清々しい…

裏庭にて

実家にて 白糸草が美しい首を伸ばし、晩春を告げる。 マイヅルソウの見頃は過ぎてしまった。 矢車草の花が咲いた。 山草を研究しているという方にいただいたセリバオウレン。実りの季節を迎えている。 この方は私の中学時代の理科の先生であった。ご自宅に群…

Z世代の優雅な休日 Ⅱ

実家にて 午前のひと時、雨があがり、母は昨夜宿泊した二人の女性を庭へと誘った。ウグイスが歌い、時折、キジがケンケンと鳴いている。 見たこともない草花に驚き、また「これは朝食で食べた蕗よ!」と言えば「えっ、これ、食べられるの? 初めて見た!」と…

幸せのお裾分け

拙宅にて 21時過ぎに玄関の呼び鈴が鳴りドアを開けると、大きな包みを抱えた姪が顔を見せた。彼女は1月に結婚式をあげたばかりだ。 コロナ感染症対策も新しい展開を迎え、彼女の周囲では結婚披露宴が続いているという。今回も大学時代のサークル仲間の披露宴…

立春の庭

実家にて 立春を迎えた。早いものである。 年末に開花したロウバイは、今なお健気に花を見せている。 落ち葉を払うと福寿草が顔を見せた。 こちらは枯葉の寝床から目覚めたスノードロップ。 母によれば前から咲いていたというが、庭も場所によって環境は違い…

10月の庭 Ⅲ

実家にて 秋晴れの心地よい季節である。 母のお気に入りの可憐な花、ダイモンジソウが開花した。 柿は枝がたわむほど鈴なりとなり、鳥たちを待っているかのよう。実りの秋を実感する。 西王母、紅妙蓮寺、荒獅子、初嵐など早咲きの椿が次々と花を開き始めた…

10月の庭 Ⅱ

実家にて 秋も本番、実家の庭ではさまざまな菊が咲き始めた。一方、初秋から咲き始めたシュウメイギクはそろそろ終わり、これが最期の株である。 素朴な素朴な野菊。母はこの花を田舎菊と呼ぶ。名残り10月、籠に映える花のひとつ。 こちらは、もってのほか、…

ザクロをいける

実家にて 水盤にザクロと田舎ギクをいける。 この青磁の水盤は48cmほどありこれまで使ったことがなかったが、実が重く枝がしなって置くことしか出来ないザクロにはこの器しか見当たらない。 華道をたしなんだことのない私の花は、茶の湯の「花は野にあるよう…

野菜いっぱい

自宅にて 出張と実家往復の今日この頃。連れの好物を揃え、野菜いっぱいのランチで体力の回復を図る。 鰹のタタキサラダ仕立て。貝割菜に大葉、生姜、大蒜もたっぷり。 牛ステーキ赤ワインソース。こちらもベビーリーフ、ブロッコリー、枝豆とたっぷりの野菜…

10月の庭

実家にて 6日間の出張が終わった。眠れない夜にさよならを告げ、深呼吸して緑を満喫する。 野草園では、季節ごとに主役が変わる。今はミカエリソウ(見返草)が君臨。毎年のことながら花房が巨大な虫に見えてしまい、虫によわい私はぞわぞわしてしまう。 キ…

9月の朝顔

実家にて 9月も半ばとなった。朝顔の花がけなげに咲いている。 花径も大分小さくなり、葉は黄色味を帯びてきた。夏を象徴する朝顔が、本格的な秋の到来を告げているかのようだ。 こちらの二つは切り込み作り。 大型台風の予報に朝顔の鉢を軒下に取り込む。雨…

家庭菜園の収穫

実家にて秋の虫の音に耳をすませ、朝顔を見やれば、昨夜の雨にあたり花弁は重く花径もひと回り小さくなったようだ。「猛暑が懐かしいな!」と声に出すと、「何を言ってるの!」と母が笑う。朝顔に混じって黄色い花の鉢、「それはオクラよ!」9月3日の家庭菜…

9月の庭でⅡ

実家にて 藪の中に身をひそめる植物を探して出会ったのは、美しく繊細な傘を広げる可憐なキノコ。 透き通るほどに薄い傘の中央は鮮やかなレモン色だ。一夜ももたず形も色も変わり、溶けてしまうと言う。妖精にたとえられるのも頷ける。 検索するとヒトヨタケ…

9月の庭で

実家にて 朝晩はめっきり涼しくなった。植物たちは互いに競い合って季節の急カーブを回り、夏から秋へとバトンを渡したようだ。表玄関への延段沿いに咲くシュウカイドウは花を落とし、藪の中ではさまざまな花が咲き出した。ひっそりと花弁を広げるホトトギス…

朝顔の便り

実家にて 20年ほども前からか、父は朝顔と夕顔を種から育て、行灯仕立てにして親しい方々に届けている。花が終わると差し上げた方々から「来年も楽しみにしています」との言葉とともに鉢が戻されるのだという。8月5日に帰郷した折にはまだ20鉢ほどが残って…

百日紅満開

実家にて幼いころの思い出もあるのか、父は庭のそちらこちらに百日紅を植えた。それぞれ色が異なる百日紅の花は、緑濃い庭のアクセントになり、真夏の庭の主役である。 母屋前 蔵周辺 好きとはいえ、父はよくぞこれだけの百日紅を植栽したものだ。30本以上あ…

極上の宿

実家にて 次々とエゾカンゾウが開花、朝陽を浴びて黄色い花が眩しいほどに輝く。花の中に客あり 花をのぞき込んでいるうちに子どもの頃に読んだ絵本を思い出した。 チューリップから生まれ大切に育てられていたおやゆびひめは、ある夜、クルミの殻のベッドで…

アジサイの盛り

実家にて アジサイが盛りである。実家では猛暑の中、多種多彩の花々が競演。張り子コレクターの妹から、実家のくれないとホタルブクロをいけたとラインにて。キレイなくれない色 アナベル 七変化 さて、姪夫婦の結婚披露宴が来年明けに決まり、すでに入籍を…

初夏の庭を歩く

実家にて6月4日早朝、母と初夏の庭を歩く。蕾を開き始めた花、今が見頃の花、そして散り際の花と、庭を舞台に主役が次々と入れ替わる。アマチャが咲き始めた。 オオヤマレンゲ。蕾を一輪いただいて花入れに、茶室では蕾が主役。 こちらは花弁を落とし始めた…

ミツバシモツケ

実家にて老舗茶道具商が水屋に控える某数寄者の茶事は10年も続いただろうか。茶懐石を担いながら、桃山期の古陶磁の扱い、料理と器の取り合わせなど、厳しくも多くを学ばせていただいた。茶の湯の世界では名の知れた方々が客となる茶事の懐石を、当方のよう…

また来年のお楽しみ

実家にて 5月29日、早朝に主庭の松の手入れ、秋に落としきれなかった古葉を落とし、風通しをよくする。これは私の役目、続いて父が松の形を見ながら緑摘みにかかる。 日が高くなるに連れ、真夏のような日和となった。 テッセンの花が咲いた。 ミツバシモツケ…

知らないものはたくさんあるⅡ

拙宅にて 今の住まいを下見に訪れたのは昨年の5月半ばのことである。庭は管理が行き届き、アナベルを中心に白い花やカラーリーフのヴァリエーションが美しかったことを覚えている。 以前の家は床の間を備えた日本建築で、狭いながらも石組のある日本庭園であ…

茶友を招く

実家にて 5月5日午後1時半、ゴールデンウィーク恒例の茶花探索に、5人の茶友が訪れる。この日の朝、今年初めての日光キスゲが咲いたと母。黒ロウバイも開花。今年はエビネが元気だという。鎌倉の数寄者にいただいたイワタバコは、春の霜にあたり葉が黒く変…

春満つる

実家にて今年は実家の桜花を見逃してしまった。されど桜に劣らない花たちが次々と開花し、目を楽しませてくれる。キブシも満開であった。キクザキイチゲは盛りを過ぎて。 小さなイカリソウ、右は八重のアズマイチゲか。 バイモとイカリソウ、ヤグルマソウ そ…