松花堂弁当 花七種

実家にて

妹の社中仲間を招いての正午の茶事。

客はご懐妊の女性とその母、米寿を迎えた社中の御長老と、女性3世代の目出度い席であった。

当方は初めて松花堂弁当を手掛ける。画像は今回も茶事の後に義弟と妹に用意したもので残り物感満載、盛り付けも気が抜けている。次回こそ本番の料理を撮影したいものだ。

献立

向こう: 鯛昆布じめ、胡瓜と茗荷の二杯酢和え(クリスタルガラスの小鉢は今は亡き大叔母が使っていたもの。高さもピッタリ、松花堂弁当のため購入したのかもしれない。)

焼物: ヒラマサの味噌漬け、筍、ズッキーニ(庭の山椒の葉とハランを添えて)

冷し鉢: 小茄子、プチトマト、蕗、南瓜、厚揚、冬瓜

飯:赤飯、黒胡麻(赤飯は前日からもち米を浸水し早朝からせいろで蒸しあげた本格派の母の手製)

香物:沢庵、瓜の奈良漬

煮物椀: 水無月豆腐、海老、ホウレン草、青柚子

小吸物椀: 生姜

八寸: カラスミ、オクラ

時期はずれの筍は、義弟が箸や蓋置を作るため竹林に入ったところ見つけたそうだ。エグミが強かったが、これも旨味のうちとしよう。

昨年はコロナ感染症も落ち着きつつあり、実家にて4度の茶事を行った。1度目は懐石を省略、その後は焼物、進肴の取り回しをせずに銘々に盛り付けた。

松花堂弁当にしようか?」と毎回、妹から提案があったが、当方に経験がなく実行には至らなかった。

今回は、山積する仕事に懐石道具の準備が出来ず選択肢は松花堂弁当のみ、その上、食材の購入も妹に任せてしまった。

しかし弁当を手掛けてみると楽なことこの上ない。もちろん盛り付けを含めこれから学ばなくてはならないが、動きとしては、前日や早朝に作り置いた料理を弁当に仕込めば残るは煮物椀だけである。小吸い物椀は手がかかるものでなし、八寸も早い時間に作ってしまえば良い。そう話すとすかさず「これなら簡単に5人いけるでしょ?」と妹。

若い時分には5名の客でも動けたが、茶事では料理を出すタイミングははずせないため、近年は客は3名までと自戒している。しかし妹の言う通り、松花堂弁当であれば5名も問題ないだろう。

しかし今回は弁当の小さな枠にとらわれ料理がちまちまとしてしまった。サイズ感が腹に落ちてないのだ。

さて、花は宗全籠を使って華やかに、紅白のホタルブクロをそれぞれに数えて花は七種。ハルザキシュウメイギク、ホタルブクロ(紅・白)、シチダンカ、アマチャ、ガンピ、クガイソウ。翌朝に撮影。画像を見るとハルザキシュウメイギクとホタルブクロが傾いてしまい残念である。