花見弁当

吉祥寺 井の頭恩賜公園にて 今年の桜の開花は例年になく遅れている。天気も良好の4月10日、幾年かぶりで吉祥寺に花見に出かけることにした。 前日19時前に、食に独特のこだわりを持つ連れと待ち合わせ、食材を買い求めた。この季節に外せない筍御飯は、鶏肉…

春の宴

実家にて 3月24日、姪の友人5名が昼過ぎに実家に到着した。 一番に親しい友人はおめでたで、産後はオーストラリアに移住するという。お祝いと送別を春の陽が彩る、女子のみ参加の宴の開幕。 ウェルカムドリンクはシャンパン。姪と鼻歌交じりで作った前菜をお…

行楽弁当

小田急ロマンスカーにて 3月20日、新宿13時発のロマンスカーにて箱根に向かう。 携えた弁当の菜はあいも変わらずであるが、記録しておこう。 献立 蛸とセロリの甘酢和え、ピーマンと肩ロースの生姜焼、出汁巻卵、小松菜の胡麻和え、煎りシラスとゆかりのご飯…

椿いろいろⅡ

実家にて 先般、拙宅に持参したもう一種の椿の名は「玉霞」というそうだ。蕾が膨らむにつれ桃色の絞り模様が顔を出す。 椿とともに持ち帰ったトサミズキは、温かな室内で庭にさきがけて開花した。 その一方、椿にはあわせて6輪の蕾が付いていたが、半分は開…

いつもと同じあれこれ

箱根湯本にて 2月17日、ところにより降雪の天気予報。12時20分発のロマンスカーにて箱根に向かう。 携えた弁当箱には連れの好物をぎっしりと詰め込む。出汁巻卵に豚ロースの生姜焼、ほうれん草の中華風、鯵のハンペンに蛸ピーマン。鶏と油揚、舞茸、牛蒡の炊…

鰻の八幡巻

八重洲 はし本にて ハウスダストアレルギーの発作を機に、しつこい咳に悩まされている。耳鼻咽喉科で薬を処方してもらい、定期健診を受けている内科でも診察を受けた。長くなると喘息になる可能性もあるそうだ。 連れは体力をつけろと八重洲の鰻屋、はし本に…

古希祝いの茶事

実家にて 茶の湯の世界は社中や流派の垣根を越えて、茶事に招いたり招かれたり。心あれば交流は広がっていく。この度は、妹夫婦が敬愛する正客の古希祝いの茶事。連客は2名、席入は客の都合により13時半となった。続き薄茶でもてなす。 懐石は四つ碗を省略し…

椿いろいろ

拙宅にて 実家では椿が盛りである。 母は、茶を嗜む方の来訪があれば椿園に案内して分けて差し上げている。 私も東京の家に持ち帰った。恩師が健在ならお届けしたものと、花を抱えながら思う。 ドイツのビールジョッキにトサミズキと生ける。紅妙蓮寺と、さ…

華甲祝いの茶事

実家にて 妹を亭主に、7名の客を招いての華甲祝いの茶事。12月24日の年末の多忙の折から、客は4.5名と踏んでいたというが、声をかけた全員に色よい返事がいただけたという。となれば昨年、特注したテーブルは5名分しかなく、追加のテーブルが決まるまで妹夫…

秘湯の宿と弁当箱

二岐温泉 大丸あすなろ荘にて 2023年8月11日、午前11時08分の東北新幹線なすの号で新白河駅に向かった。福島県二岐温泉の一軒宿、大丸あすなろ荘が目的地である。 さて、私たちの鉄道旅に弁当は欠かせない。この日のメニューは、シラスと獅子唐、梅干のご飯…

紬でいせ源

神田須田町にて 12月29日から1月8日まで冬季休暇である。昨夏以来、気持ちに余裕がなく開くことのなかったブログも更新することができた。 年末30日に帰郷して、実家の大掃除や正月飾り、あれやこれやに時間を費やした。2日の午後、疲れが溜まっていたのだろ…

謹賀新年

鎌倉にて 1月3日、本年も鎌倉にお住まいの数寄者 御贔屓の古美術店にて懐石、薄茶一服のお相伴に預かる。 懐石をいただく度に思うことは、プロ、アマチュアに関わらず、調理する方の好みや美意識は如実に器の上に現れるということだ。私とは異なる、例えば…

真夏の花見

実家にて 8月に入ると父が丹精した朝顔と夕顔は、次々に知人にもらわれていく。その前に花見をしようと、7月30日早朝5時半、庭にテーブルとイスを並べて茶と菓子をいただいた。 母は茶を飲みながらも鉢が気になり、花の特徴を記した厚紙を鉢に置いて「これ…

行楽弁当

小田急ロマンスカーにて 猛暑が続いている。7月17日、連れの好物をぎっしりと詰めたランチ弁当を携え箱根に向った。 ロマンスカーに乗り込み、弁当を肴にスパークリングワインを楽しむ。 前日、実家の家庭菜園で収穫した胡瓜とトマトが一番の御馳走であろう…

体力を回復する方法 Ⅱ

銀座 竹葉亭にて 蒸し暑い日が続いている。先週末は久しぶりに、はし本で鰻を味わった。連れは味比べを図ってか、今週は竹葉亭に行こうという。 私はご無沙汰しているが、連れは6月に2回、社用で竹葉亭を訪ねている。 さてこの日、メニューには夏らしい料理…

体力を回復する方法

八重洲 鰻 はし本にて 「足が痛いんだ。そんなに早く歩くなよ。」と背後から連れの声が聞こえてきた。 「もうすぐ治る、去年もそうだった。」と言いながら3か月余り、先週末にやっと整形外科で見てもらったが、これと言った原因は見当たらないという。かつ…

松花堂弁当 花七種

実家にて 妹の社中仲間を招いての正午の茶事。 客はご懐妊の女性とその母、米寿を迎えた社中の御長老と、女性3世代の目出度い席であった。 当方は初めて松花堂弁当を手掛ける。画像は今回も茶事の後に義弟と妹に用意したもので残り物感満載、盛り付けも気が…

五月の庭で

実家にて 石の上に何年生息しているだろうか、ユキノシタは花盛り。 カシワバアジサイ アスチルベ アワモリショウマ モモノハギキョウといただきもののチドリソウ。 サツキもちらほらと咲きはじめた5月下旬の週末、ミツバシモツケも盛りを迎えた。 清々しい…

裏庭にて

実家にて 白糸草が美しい首を伸ばし、晩春を告げる。 マイヅルソウの見頃は過ぎてしまった。 矢車草の花が咲いた。 山草を研究しているという方にいただいたセリバオウレン。実りの季節を迎えている。 この方は私の中学時代の理科の先生であった。ご自宅に群…

Z世代の優雅な休日 Ⅱ

実家にて 午前のひと時、雨があがり、母は昨夜宿泊した二人の女性を庭へと誘った。ウグイスが歌い、時折、キジがケンケンと鳴いている。 見たこともない草花に驚き、また「これは朝食で食べた蕗よ!」と言えば「えっ、これ、食べられるの? 初めて見た!」と…

Z世代の優雅な休日 Ⅰ

実家にて ゴールデンウィークに、姪の大学時代の友人4人が日本の伝統的な暮らしを求めて実家へ来ることになった。 4月29日午後8時を回った頃、姪とともにまずは2人の女性が到着。古い家に興味があるのか、玄関に入るなり声をあげ、照明まで撮影する彼らの姿…

箱根で花見

箱根にて 今年の桜は急ぎ足でやってきた。 このところ、足の甲が痛むという連れは、ゴルフにも行けず、温泉頼りの週末を過ごしている。 3月21日、箱根に参じる。いつものように連れと二人、小田急ロマンスカーで弁当を開いた。 献立 厚揚げと蒟蒻の蕗味噌、…

幸せのお裾分け

拙宅にて 21時過ぎに玄関の呼び鈴が鳴りドアを開けると、大きな包みを抱えた姪が顔を見せた。彼女は1月に結婚式をあげたばかりだ。 コロナ感染症対策も新しい展開を迎え、彼女の周囲では結婚披露宴が続いているという。今回も大学時代のサークル仲間の披露宴…

諏訪敦 眼窩裏の火事

府中市美術館にて 会期(2022年12月17日‐2月26日)も残すところ1週間となり、2月19日日曜午前、「諏訪敦 眼窩裏の火事」に飛び込む。 ヨーロッパの名画が並ぶ招来展のような混雑はないが、会場を見渡せば来館者は20代から中高年までと年齢層も幅広く、客足は…

行楽弁当  ポークの調理方法は?

小田急ロマンスカーにて 2月23日祝日、ロマンスカーで箱根に向かう。車内ではコロナ禍以前のように外人観光客を多く見かけた。 隣席は長い黒髪も美しい二人の中国人女性。折しも大きなスーツケースを棚にあげようとしていた彼女らに、連れは「あげましょう。…

立春の庭

実家にて 立春を迎えた。早いものである。 年末に開花したロウバイは、今なお健気に花を見せている。 落ち葉を払うと福寿草が顔を見せた。 こちらは枯葉の寝床から目覚めたスノードロップ。 母によれば前から咲いていたというが、庭も場所によって環境は違い…

新年あれやこれや

ロマンスカーにて 1月8日、箱根に向かう。久しぶりで遅い昼食を定宿のステーキハウスでとる予定である。 腹つなぎに、ストック食材で根菜の炊込みご飯と出汁巻玉子、チョリソーだけの小さな弁当をこしらえる。 ところが連れの仕事は昼近くまでかかり、新宿で…

喜三郎の小吸物椀

鎌倉にて 例年、新年3日に懐石を担わせていただく鎌倉の数寄者の茶事はコロナ禍で中止だという。だが古美術商の茶事に相伴させていただくことになった。 1月3日、シャンパンを抱えて、数寄者とともに4時半に先方に到着。まずは新年のあいさつを交わし本席…

正月の献立

実家にて 1月1日、実家に縁者が集まり、新年を寿ぐ。 昨年末は30日に帰郷、昼前に買い出しを済ませ、午後は父と屋敷内数ヶ所に正月飾りをして回る。翌日は母とお節料理に勤しみ、また膳や皿など道具を選んだ。 大晦日はあっと言う間だ。黒豆は間に合わない…

正午の茶事

実家にて 師走11日、妹は千家流派の青年部で知り合って以降、30年余り親交するお三方を茶事に招いた。先回同様、亭主は妹、半東は妹の主人、懐石は私がつとめるいつも通りの布陣である。 待合 懐石 折敷 向う(15代永楽善五郎)平目コブ〆 飯碗(真塗)栗お…