八重洲 はし本にて
ハウスダストアレルギーの発作を機に、しつこい咳に悩まされている。耳鼻咽喉科で薬を処方してもらい、定期健診を受けている内科でも診察を受けた。長くなると喘息になる可能性もあるそうだ。
連れは体力をつけろと八重洲の鰻屋、はし本に誘ってくれた。ありがたいことだが、食事中に咳が止まらなくなるのが心配である。
しかし、ちびちびとお酒で喉を潤していると不思議と咳が出てこない。神経性のものなのだろうか。顧みれば、以前のように仕事を楽しめない自分が見えてくる。
さて、気分を変えよう。お通しに出てきたのは鰻の八幡巻、見た目も美しい。ゴボウを鰻で巻き、その下に薄切にし炙った蕪、上にはすりおろした山芋と芹が重ねられている。その美味しさに思わず仲居を呼び止めて食材を確認した。茶色の小さな粒は鰻でカリカリとした食感、白いものは乾燥山葵だそうだ。手の込んだ料理であった。
鰻の八幡巻
お次のつまみは貝柱のぬたとおぼろ豆腐、サラダに板わさ。連れは満足そうに盃を進めている。極めて?繊細な?連れの喉を攻撃する川海老の素揚げは見送られた。
鰻重
今夜の肝吸いには蒲鉾が入っている。そして大きな肝。
翌日、快方に向かう。