知らないものはたくさんあるⅡ

拙宅にて

今の住まいを下見に訪れたのは昨年の5月半ばのことである。庭は管理が行き届き、アナベルを中心に白い花やカラーリーフのヴァリエーションが美しかったことを覚えている。

以前の家は床の間を備えた日本建築で、狭いながらも石組のある日本庭園であったからいささか寂しくはあったものの、この洋風建築の周囲を飾る多彩な植物は新鮮であった。

 低木と下草が植栽された庭は回廊のように家の四方を巡り、今はツボサンゴなどが開花期を迎えて華やかである。アナベルの開花まではもう少し。

ドアの前には大きな薔薇の鉢が置かれている。これまで薔薇には縁がなく品種が分からずお恥ずかしいが、満開の薔薇の画像は残しておきたい。

 

実家の庭は両親が手入れをし、私は帰郷した際に草取りや剪定した枝葉の処理など力仕事を請け負う。互いに造園業の社長、副社長、平社員と呼び合いながら庭仕事に精を出すのは楽しく、その日の成果を見やるのは至福のひとときである。

五十肩もヒアルロン酸注射やリハビリが効いてきたのか、腕肩の可動域も大分戻ってきた。庭仕事に勤しみたい、小さな花たちを見ながら思う朝である。