実家にて
次々とエゾカンゾウが開花、朝陽を浴びて黄色い花が眩しいほどに輝く。
花の中に客あり
花をのぞき込んでいるうちに子どもの頃に読んだ絵本を思い出した。
チューリップから生まれ大切に育てられていたおやゆびひめは、ある夜、クルミの殻のベッドで眠っていたところをヒキガエルに連れ去られてしまう。
親しんでいたのは熊田千佳慕が挿絵を担当した絵本『おやゆびひめ』(間所ひさこ/文 小学館の育児絵本)。ヒキガエルやコガネムシ、花や果実などをリアルに描いた熊田氏の絵が記憶に残っている。
ネットを検索するとこの絵本の対象年齢は1~3歳とあるが、私は絵に魅せられ中学生の頃まで眺めていたような気もする。
さて、エゾカンゾウの花に宿をとったのはヒキガエルではなく色も美しい二ホンアマガエルだ。蜜に誘われさまざまな虫もやってくる。この花はカエルたちの極上の宿であろう。
傍らで母が言った。「かわいいでしょう。害虫を駆除してくれるの。頼もしい私の仲間よ!」