俳句・短歌

晩春

拙宅にて 今春の最後を飾る椿は、八重咲の大輪。落花のごと 寂寞たりし 春を見送る

日本橋の桜 

春月や ビルの合間に 花の合間に (敦煌)2013.3.29 夜桜 - 寿福千年録

観梅

槍梅や曇天突きてこぼるるうらら(敦煌)

花見の茶事

実家にて4月5日、桜を追っての茶事は実妹が亭主を務め、客は茶友のご婦人方。桜尽くしの道具組は綺麗綺麗の趣きである。水屋は亭主の夫君が担い、当方はいつものごとく懐石を請け負った。床飾りは百人一首から花に寄せた歌を選び、札を盆に並べた。こうして…

花喰い鳥

庭先の梅が満開となった。蜜を目当てに野鳥たちがせわしく訪れる。大きく枝を揺らすのはヒヨドリ、枝枝を飛び踊るのは目白の番いである。カメラを向ければ飛び去ってしまう野鳥たち。目白踊り梅花密かに匂いたつ(敦煌)

花見の宴(井の頭恩賜公園)

敷島の 大和心を 人問はば 朝日に匂ふ 山桜花戦前に国威高揚の一端を担わされ広く知られるようになった本居宣長の歌。私にとっては小林秀雄の講演テープ(新潮カセット文庫)で耳に馴染んだ歌だ。壇上の小林は、声高らかに読み上げたものである。問題山積の…

法師温泉 長寿館

「家にある歴代の北関東の地図を見たらね、法師温泉にはぜーんぶの地図に赤い印が付いてるの…そう、私が付けたの、それだけ何年も思い続けていた!ってことなの!!」長寿館の予約が取れると、母は珍しく興奮して語ったものである。予約サイトで週末のたった…

南京山水香合

手のひらに宇宙を乗せし夜半かな 敦煌 明末清初。開扇に山水松下囲碁図、側面には繊細な菱文様。江戸期はあるだろう杉材を使用した素朴な箱。表に「なんきん」と・・・ 側面の流れるような草書字はなんて読むンだろう? と考えていると、横にいた連れがニヤ…

象嵌の花

花冷えが続き、桜花命を長らえている。今宵は寿司屋で一献。早く出でる可し!との連れの誘いに、いそいそ現地にいってみればそこは長蛇の列。安くて美味いと評判の○○○寿司のこと、さして驚きもしないのだが、さて当の本人は何処かと探してみれば、植木囲いの…

酸っぱさや 目覚めの供に 花ラッキョウ

先日のこと、無類のラッキョウ好きから携帯に画像が入った。 「旅のお供に選んだ恵比寿のロング缶とラッキョウの瓶詰」 と添えられている。合成甘味、保存料を一切使わず、甘さは蜂蜜のみ、福井産3年ものの甘酢漬だそうだ。ひと瓶には小さなラッキョウが約10…

蓑虫や 酒宴にて

蓑 虫 也 中 々 声 能 面 白 支江戸初期の隠遁者、石川丈山の句である。家康の諜報者といわれるが、数寄者としても名を成した人物だ。 「みのむしやなかなかこえのおもしろし」 何を想ってこの句を詠んだか…いずれにしろ丈山の当時の心境を伝えるものではあ…

菜の花や

先週末(3/14.15)のこと、銀座日動画廊で、茨城県笠間市主催による「陶炎祭(ひまつり)」のプレ・イベントが開催された。アンテナショップは、近年注目を集めており、利用されている方々も多いと聞く。二日間限定のこのイベントでは、笠間焼と石彫が出品さ…