「リアルのゆくえ 高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの」

リアル(写実)のゆくえ〜高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの

リアル(写実)のゆくえ〜高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの


梅雨の晴間、関東は猛暑の一日となった。

午後1時過ぎの東海道線に飛び乗り、平塚に向かった。駅から20分ほど歩いて平塚市美術館に到着。開催中の「リアルのゆくえ」展は、NHKEテレ「日曜美術館」で取り上げられ、なかなかの好評と聞く。

レアリスムのブームは未だ続いており、この度は明治から大正、昭和、現代と続くその総集編とも呼ぶべき構成。新旧写実のカリスマ磯江毅と高橋由一の「鮭」を並べるなど、してやったりの感。

一方、あまり知られていない画家も多い。その中にもうまい!とうならせる作品があった。写実では負けないと豪語するものもいるだろうが、人生の凄みまで感じさせるか否かが鍵となろう。いつの世も人々は伝説を求めているのだ。巧みであっても時代に求められなければ無名のままで一生を終える厳しい世界である。

現代作家の作品が人気のようであった。大人向けの企画であろうが、親に連れられてきたのか子供の姿も目立った。足元の白線の中に入ってしまい幾度か注意を受けていたが、そういうこともなければ元気の良い子供たちは退屈であろう。