針ノ木から扇沢へ降りた我々は、生ビールにつられて黒四ダムの観光客で賑わうレストランに入った。軽く食事をとり、2時すぎにホテルに到着する。
15分ほどとは言え、大柄の女性を背負って雪渓を登った連れの足の筋肉痛は大変なものであるらしく、すぐに温泉につかって汗を流すことにした。当方も早足での山行に、早くも筋肉痛が出ている。湯の中で両足をもみ下し、ほっと一息、疲れを癒した。
夕刻7時過ぎ、吉兆に向かう。馴染みのマネージャーが笑顔で迎えてくれる。ここは安心して時を過ごせる数少ない店だ。
いつものように生ビールで乾杯し、先付を味わう。出汁を含んだ色紙切の干瓢に芥子酢味噌がまったりと絡む。続く料理は日本酒とともに、美味さが五臓六腑にしみわたる気分だ。
- 先付 干瓢と青菜の芥子酢味噌和
- 椀 湯葉真蒸(鱧)、椎茸、人参、大根、かいわれ、青柚子
- 向う サーモンの昆布締め、鱧の落とし
- 八寸 鯖寿司、鱧の酢和、海老とオクラのゼリー寄せ、卵焼、小芋の唐揚、枝豆
- 炊合せ 茄子、根菜、冥加
- 飯・香の物 散らし寿司、野沢菜・蕪の甘酢漬
- 氷菓子
心地よい疲労感…山行後の温泉と湯上りのビール、そして美味いもの、至上の一服である。