正月3日、例年のごとく茶友を招いた。前日に道具を組み花を決めると、すっかり安心してしまい、当日は刻限間際になってあたふたする始末。客の到着30分前にようよう着物に着替えたものだ。
客は茶の湯を楽しみながらも真面目に取り組んでいる6名。こちらはここ3年ろくに稽古をしておらず、本日は識者の指導を受けつつリハビリといったところだ。
点前座は寿棚に菊桐棗、東雲焼山水菱水指。江戸末から明治期のもの。正式な茶事にあらず、客も親しき友たちであり、肩の張らない道具組みとした。しかし、新年明けとなれば華やかさが足りない。そこで薄茶は萩を主茶碗に、永楽の小振りの福禄鉢を次茶碗とした。しかし、遊びが過ぎたと少々反省している。
さて料理も茶懐石にあらず、客の好みに合わせ日本酒はもとよりワインにも合う和洋折衷。予想通り、酒豪の茶友たちは銘酒を持ち込み、新春に相応しい宴となった。
5時から続いた宴も10時半にお開きとなり、星空のもと友を見送る。しっとりとした茶事をしたい、とため息をつきつつ思ったものである。
献立