落ち葉の行方

izaatsuyoshi2010-12-09


小春日和の一日を、庭仕事に「うつつをぬかす」ことにした。金曜の大風は、枝々の紅葉をほとんどさらってしまい、地面を色とりどりに染めている。

落ち葉を掃き集め、リヤカーでとある場所へと運び入れる。あとは豊かな腐葉土に、時が仕上げてくれるのを待つだけだ。

我が家のリヤカーは祖父の代からの年代ものだが、庭仕事には欠かせない愛車である。修理をしながらまだまだ健在、それどころか、より効率を高めようと父が改良を加えている。その姿はたくましく、頼もしいことこのうえない。

自然を相手に一心に身体を動かしていると、突如ヒヨドリの声が耳を突き刺し、我にかえった。どうやら、念願かなって現を抜かしていたらしい。

さて、落ち葉である。厳冬の季節にも醗酵はすすみ熱を保つ。そこはカブトムシの幼虫の穏やかな寝床でもある。十分腐葉土となった頃、あるものは森にもどされ、あるものは植木鉢へと送り込まれる。植物や虫の糧となり、次代の生をはぐくむのである。