牡蠣数寄人

牡蠣の美味い季節である。牡蠣好きの諸氏、その食べ方にこだわりは多い。

「生が一番、キリッと冷えた白ワインでね」と皿一杯の生牡蠣を次から次へと飲むように口にする牡蠣豪傑。「生牡蠣はダメ、厚い衣のフライもダメ、しかしごくごく薄い衣に包まれたフライならいくつでも!ソースじゃないよ、醤油をほんの少し垂らすのさ!」とその料理法を語らせばきりがない牡蠣達人。そして牡蠣飯を毎日食べたい、作ってくれとせがむ牡蠣数寄人…。

というわけで2日連続、牡蠣飯である。生姜と酒を利かせた甘辛の味がご所望だ。

牡蠣飯と合わせる一汁三菜にも一家言ありだ。汁は味噌汁よりもお清まし、冬野菜を具にコクのある醤油味がよろしいそうで。菜はと言えば「香物があればほかは要らない…いや、出汁巻ならあっても良い。メカブもいいな。微塵に刻んだ梅干に葱、鰹節、七味を入れてよくよく混ぜ合わせたやつ!」

さてさて牡蠣飯。一椀に身を数個ほど入れよそっても、箸を下ろせば「1つしか入ってなかったあぁ!」と泣き顔なのはこれいかに?