『王妃の離婚』 『愛を読むひと』

気分転換に現実とかけ離れた小説はなかったか、と自宅の本箱をあさる。目に飛び込んできたのは、佐藤賢一『王妃の離婚』、1999年の直木賞受賞作。これがいい、かなり面白かった記憶がある。

ページをめくる手が止まらない。映画を見ているように映像が浮かんだ。

王妃の離婚 (集英社文庫)

王妃の離婚 (集英社文庫)


こちらは正真正銘の映画『愛を読むひと』。不器用な若き日の愛、移りゆく時代に翻弄される人生・・・過去と現在が交錯する見応えのある一本。

オデュッセイア』『犬を連れた奥さん』『チャタレイ夫人の恋人』・・・15歳の少年が年上の恋人のために朗読したのは、10代の私が世界文学全集を紐解きつつ読んでいたものでもあった。

遠く過ぎ去った時間を思い、切なさが胸に込み上げてきた。