大山蓮華が芳しい花を咲かせた。幾種かの花を添え、茶の湯の師に届けることにした。久しぶりに会った高齢の師の身体は、また一回り小さくなったように感じられた。
師のもとを離れ、いつしか5年の歳月が経つ。今、師と私とをつなぐのは四季折々の花であった。
「こんな可憐な大山蓮華は見たことがありません、素晴らしい・・」 短い命を精一杯に咲く花を見つめ師がつぶやく。その頬は恋をする少女のようにみるみる赤く染められていった。
- 大山蓮華
- 甘茶
- 七段花
- 酔仙翁(別名:一人娘、フランネル草)
- 蛍袋
- アカショウマ
- 梅香ウツギ
- 梅雨桔梗
- 一人静
- 紫露草