パガニーニ


「クールシュヴェール国際音楽アカデミーinかさま」の関連コンサートのひとつ、エルジャン・クリバエフのヴァイオリンコンサートが、茨城県笠間市笠間日動美術館で開催された。
22歳の新鋭クリバエフ(カザフスタン出身)は、6歳でヴァイオリンを始め、12歳でモスクワに、次いでスペインの音楽院に留学、2007年、第5回ノヴォシビルスク国際ヴァイオリンコンクールシニア部門で優勝の栄誉に輝いている。

1時間余りのプログラムは、バルトーク無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1楽章」、フランク「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」、パガニーニ「わが心うつろになりて」、チャイコフスキー「メロディ」、ラヴェル「ツィガーヌ」である。音響も良くはないだろう展示室という空間で、この意欲的なプログラムを、如何に弾きこなすのか…

良くも悪くも若さがそこかしこに見え隠れするも、クリバエフ本人は自信を持って、音を奏でていたと言えよう。すべての楽曲において彼独自の解釈が見え、また超絶技巧を要するパガニーニに嬉々として挑んでいたように思えた。前から2列目に座し、指の動きを細部にわたり見ることが出来たのは、幸いであった。
彼の将来展望は未知数である。聴衆者の一人として、今後の活躍を祈るばかりだ。

笠間日動美術館では、「佐伯祐三展」が開催されていた。本日はクリバエフの音が耳に残るうちにと、本稿記しているわけであるが、「佐伯祐三展」については、後日述べることにしよう。

クールシュヴェール国際音楽アカデミーinかさま http://www.jesc-music.org/alp/alp_index.html