三島鉢「炊き合わせ」


茶懐石の強肴は、向付、煮物碗、焼物のメイン料理のあとに持ち出される。石盃が供され、器、料理の話に花が咲き、座も和んでいる頃合である。

本日は、三島鉢に、貝柱、椎茸、芹を盛り合わせた。貝柱、椎茸は醤油、酒、出汁の合わせだれを付けながら焼き、芹は煮びたしにした。旬を味わう、とはいかなかったが、内輪での酒席である。お許し願おう。

この三島鉢は、15世紀中ごろのもので、色合い、大きさといい、料理を生かす条件が揃っている。料理人には有難い器である。