スメタナ「わが祖国」

izaatsuyoshi2009-02-09


指揮 ラドミル・エリシュカ(1931年チェコ生まれ)

エリシュカの指揮棒は、穏やかに、堅牢に祖国を語った。白銀におおわれた大地も、春が来れば緑に燃え出す。自然は静かに変容をとげ、そして回帰する。人々の生活もまた同様。喧騒を極めた戦いも、栄光のもとに終息するのだと…。

ドラマティックな張りを求めれば、肩すかしを食おうか。連れが語るに、抒情に乏しく”薫風吹けども草靡かず”といったこところだそうだ。今後のN響の精進に期待したい。しかし、エリシュカが示すモルダウの川面には、真実が渦巻いているのかもしれなかった。

NHK交響楽団定期公演 2009年2月8日 開演3:00pm