料理熱

izaatsuyoshi2009-10-12


このところ、M氏の料理熱は高まる一方である。本日はオードブルからお得意の麻婆豆腐まで、4品の披露となった。

まずは忍者ハットリ君のシシ丸よろしく「ちくわだわん!」をうわ言のように繰り返しながら、胡瓜の皮をひき、竹輪につめて斜めに切り、唐津向うに盛付けた。この定番の初心者料理、胡瓜の形にそって曲線を描きながら細く切るのが秘訣だそうで…。

続くはさっぱりとしたピーマン炒め。そして間髪入れずに麻婆豆腐にとりかかる。

「まあまあ、一休みしてビールでもいかが?」 という誘いにも 「料理は一気に作るもの!」とばかりに大蒜、生姜、葱を切り刻んでいる。「ライライッ!」と巻き舌で声を発したかと思うと「大三元ッ」やら「ウールーチーパー」やら…ラーメン屋の屋号か、はたまた麻雀用語か、似非中国語をまくし立てながら、本人は満足至極、フライパンを振るうのに余念がない。

ここまで来ると当方に言葉はなく、音楽でも聴きながらビールを飲むことにした。 だが腰を落ち着ける間もなく「どこ、どこ?フライパン返しィ」 「片栗粉はどーれ?」などと呼ぶ声が引きも切らず…。「あっ、隊長! それは塩ではありません、砂糖でありますっ!」などと対応しつつ、固唾を呑んで料理の成り行きを見守るばかり。

ふと気づくと肝心要の「豆腐がないッ」と大騒ぎ。結局、豆腐を買いに走りにいくのは当方。豆腐ついでに卵を買って帰れば「よし、卵焼きを作ろう!!」と、二つばかりを片手でパリ、パシャと小気味よい音をたてつつ器に割り入れ、葱、砂糖、酒等で素早く調味、ササッとフライパンに流し込む。

悪戦苦闘しながらもようよう出来上がった料理は、なかなかのものと言えようか。美味いビールが飲めれば、これ人生は幸いなり、と納得したものである。