秋を歩く

izaatsuyoshi2009-10-02

例年、9月の連休は北アルプスを歩いている。今年は2年ぶりに鹿島槍に登るはずだった。高山はすっかり秋の装いに包まれていることだろう。海外に旅発つことになった私に、一人で山に入るかもしれないと言っていた連れは、結局、この連休を仕事に費やした。

さて、11時間の空の旅で一気に文化圏を異にして大美術館の入り口をくぐれば、18、19世紀に想いはよぎる。

往時流行したグランド・ツァーは、特権階級に許された娯楽であり、知識欲の奔流であった。エキゾチックな趣きに魅せられ、彼の地より美術品、植物、時に動物までも持ち帰った。日本でも三井、住友に代表される財閥のコレクションには驚かされるが、桁が違う。大航海時代より遥か以前から、ヨーロッパ全土、北アフリカまで統治支配に争いを繰り返してきた民族的資質の違いもあるのだろう。

異国の土地への憧れはいつの時代も新しい文化をもたらす。持ち帰った遺物はもちろんのこと、加えて女性たちの間に流行した異国情緒たっぷりの衣装は、絵画の中に女性たちの微笑みとともに遺された。彼女らを描いたダヴィッドやアングルらの作品は、大美術館の呼び物のひとつに数えられている。

旅の記録

  • モン・サンミッシェル
  • オランジュリー美術館/ジヴェルニーのモネの家/ギャラリー・ニチドウ
  • プチ・パレ/グラン・パレ/ピカソ美術館(閉館)
  • 大英博物館/コートルド美術館
  • ロイヤル・アカデミー/ロンドン・ナショナルギャラリー
  • ジャックマール・アンドレ美術館