東寺

izaatsuyoshi2011-04-13


4月2日、余震の続く関東から京都に旅立った。新幹線の車窓からは変わらず雄々しい富士が見える。映り往く景色…木々の芽木灯が春本番を予見する。

早足の連れとともに、京都駅から東寺への道を黙々と歩く。

立体曼荼羅に諸尊が配置された東寺の講堂。国宝指定の平安の仏が並ぶ。かつて訪れた日より幾年が経ったのだろう。帝釈天の厳しくかつ清清しい表情に救いを観るようだ。

枝垂れ桜は、この日2分咲きほどであったろうか。しかし柳はいち早く、若い緑に彩られたしなやかな枝枝を風になびかせている。コートを脱いでなお暖かい陽気であった。

一方、境内のあちこちには震災地への募金箱が設置されている。遠く離れた京都の地でも未曾有の現実が生々しい姿でよみがえる。小額を拝む心地で差し入れる。神仏に救いを求める平安人の姿を想像した。