あんこう鍋 いせ源

izaatsuyoshi2011-12-21


2年振りにあんこう鍋の老舗「いせ源」を訪れる。この店は6名からの予約は可能であるが、それ以下であれば、入り口で受付を済ませたのち名前を呼ばれるまで店の外で待たなければならない。

寒空の下、店の前には大きなストーブがしつらえてある。待つことは苦手の連れだがいたし方ない。ストーブに手をかざしながら、しばしの辛抱である。

名前を呼ばれ店内に入ると、女将の愛想の良い笑顔が迎えてくれた。「今日はちゃんと並んだよ!」と連れが優等生ぶって声をかける。以前は少人数でも連れの名前で予約が入ったが、昨年からはその特例は許されなくなった。しかし、店に近しい人物の紹介であったためか、はたまた客を伴い幾度も訪れた努力の賜物か、女将の記憶には連れの顔と名前はしっかりと残り、なかなかの顔である。

座敷にはいくつもの座卓が並び、大勢の人たちが鍋を楽しんでいる。仲居たちは大分入れ替わり以前より若返ったようだ。還暦超えのおねえさんたちが、鍋の世話をしてくれるのも風情?があってよかったが…しかし忙しく客の周りを行き来して料理を運び、鍋の薀蓄を述べる姿はこれまでと変わらない。

まずはビール。鍋の前にあんこうの唐揚、煮こごり、胆刺しを頼む。煮こごりは私たちには少し味が濃かった。

さて、あんこう鍋は甘辛の醤油仕立て。具はあんこうのほか、独活、椎茸、三つ葉、糸蒟蒻、銀杏、絹さやである。

〆は玉子とじのおじや。連れは仲居が置いていった玉子を得意そうに溶いていたが、「まあまあ、ダメですよ! 玉子はコシを残しておかないといけませんッ!」と叱られてしまった。しかしそのダメだしも楽しく、おじやも美味しく頂いた。

日本酒も大分すすみ、上機嫌で帰宅した宵である。

いせ源 http://www.isegen.com/