9月の花 Ⅲ

実家にて

早朝から父は栗の実を拾い、秋茗荷を収穫した。明日の十五夜に間に合うよう、3人の学友に送るのだという。

ススキの長さに合わせ長い箱を作り、ようやく荷造りを終えたのは正午近くのことであった。父の手紙を添えて、近くのコンビニまで運ぶ。

敬老の日にあたり、妹が両親の好物を作り、昼食を届けてくれた。ともに食卓を囲む。

献立

  • しめじ・菊花・春菊の出し浸し
  • 豚の角煮
  • 鶏肉・蓮根・椎茸・人参の炊き合わせ
  • 帆立貝柱と大葉のフライ、サラダを添えて
  • 稲荷寿司


翌日、帰京する。十五夜の月は東京の空の雲間からも、美しい姿を見せてくれた。父の友人たちもススキの向こうに月を愛でているだろうか。

ススキにシュウメイギクを添えて供える。

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