実家にて
10月9日、妹が3名の同僚を実家に招く。客は大手建設会社で働くキャリアウーマンの面々で、緊急事態宣言が明け、久しぶりに顔をあわせるようであった。うち2名は東京からで、牧歌的な1日を楽しみにしていたという。
料理を任された当方だが、茶事の際のような緊張感がなく、自由に調理を楽しんだ。戦前の料理屋を模してみようと、器は有田焼を中心に、料理は茶懐石より多めに盛り付けた。
客が席につく前に、妹を含め4名分の先付けをテーブルに並べる。
食後、庭を散策し栗拾いを予定している客の意向であったか、妹が用意したドリンクはすべてアルコールフリーで、ビールは馴染があったが、ワインと日本酒は始めて見たものである。
先付
・湯葉とウニをカクテルグラスに盛って
・栗の甘煮、里芋田楽(胡麻味噌)
・柿と蕪の白和え
楽しく調理ができた一方、大きな失敗もあった。気が抜けていたのだろう。後日、妹が送ってくれた料理の画像を見て、はっとした。皿の絵柄の向きの誤りに何故、気づかなかったのか? 考えられないミスである。せめて妹以外、客の皿の向きは正しくあって欲しいが…。
向付(御深井焼)
・ヒラメ昆布じめ 蓮芋と菊花を添えて
煮物椀に代えて
・土瓶蒸し(松茸 海老 銀杏 蒲鉾)
進肴
・和え物(蟹 菊花 春菊 シメジの三杯酢和え)
・炊き合わせ(鶏肉 人参 椎茸 牛蒡 蒟蒻 蓮根)
香の物
・沢庵 秋茄子の浅漬 シバ漬
汁椀
・豚汁
飯碗
・栗おこわ
菓子
・栗の茶巾絞り
栗おこわは母の領分、そして、炊き合わせと豚汁は大家族に嫁いだ妹の得意料理、これらは調理済で、私は道具の出し入れとわずかな調理、盛り付けのみで、遊ばせてもらったようなものである。
さて、アルコールフリーの日本酒とワインが大半残っており、興味本位で口にしてみた。ビールは流通しているだけにその味わいがあるが、日本酒、ワインは再現追求の途上に有り、というところであろうか。製造元には申し訳ないが、手が出なかったのも無理もない。しかし今後は需要も伸びよう。ますますの研究開発に期待したい。