「MODERNE DEUTSCHE PLAKATE 1890-1933 ドイツ・ポスター」(6月1日まで/宇都宮美術館へ巡回)が開催中であった。シュットゥックをはじめ、この時代のドイツ系の画家の作品には、久しくご無沙汰である。懐かしく観た。
天井が高いせいであろう、100年前の時代を語るポスターの展示は、不思議にもコンテンポラリーの会場のようにも見え、かつ重厚感のある構成に仕上がっていた。ほか常設展示を駆け足で観る。
谷口吉生建築を正面から見据えたかったのだが、とにもかくにも時間に余裕がない。茶室、庭園にいたっては、まったく見ることならず。いつの日か、ゆっくりと再訪したい美術館であった。
午後1時過ぎ、名古屋に戻る。少々空腹を覚え、名物のひつまぶしを食べようと思いつく。しかし、残念ながら当地不案内であり、結局、駅に隣接するデパートのレストラン街をのぞく。
銀座に店のある鰻屋竹葉亭があった。名古屋に来てまで江戸前でもなかろうと思ったが、ひつまぶしは、竹葉亭名古屋店のみのメニューであるらしい。
この店は、茶懐石を請け負うと聞いている。夏場の茶事に鰻尽しの懐石を振舞うそうだ。通された座敷には、田山方南の小さな茶掛と、額装された消息が掛かっていた。消息は、竹葉亭主人と交流のあった茶人のものだろうが、他に客もあり近づいて見ることもままならず、書き手は判らなかった。会計時に店の人に問うてみたが、委細存ぜぬようである。
ここのひつまぶしは、やはり江戸前の味とのこと。次回は是非、名古屋の老舗にて食したいものだ。
夕刻に帰京する。