海蔵寺

izaatsuyoshi2009-11-18


日本庭園の図面を見るのも、名園を訪れるのも好きだ。自宅の庭で、土にまみれて樹木を動かすのはもっと好きである。

さて、先の土曜(7日)朝から鎌倉を歩く。天候にも恵まれ、鎌倉に古くから続く大きな家々とそれらをやんわりと囲み込むような独特の低い山並みを見遣るのも楽しく、日頃の疲れはどこへやら、まったくもって、ときの経つのも忘れてしまう。
今年も古武道大会に無双直伝英進流の居合を披露する数寄者から誘いがあった。ところが予定は変更され、午後の披露となったという。

そこで早朝からの鎌倉詣でに、思い立ったが吉日と、御成町から佐助隊道を通り、銭洗弁天から化粧坂を下って、海蔵寺に参拝することにした。

海蔵寺の門をくぐろうとしたまさにそのとき、後方からの殺気に振り返れば、かの数寄者、胴着で自転車に跨り、もの凄いスピードで近づいてくる。北条の治世には早馬であろうか。 

その姿に、当方、颯爽と降り立つかと待ち受けたが、袴の裾をサドルにひっかけたらしい。残念ながら鎌倉武者のように凛々しく馬を降りるというわけにはいかなかった。互いに照れ笑いで挨拶を交わしたものである。

鎌倉は山を借景に野趣にあふれた庭園が多いが、ここ海蔵寺もそうだ。扇ケ谷の端に位置し、源氏山の稜線を背景にひっそりとした庭がとても印象的であった。