3つの滝をめぐる

実家の両親、嫁いだ妹、姪の5人で旅に出ることになった。宿泊先は母が常々泊まってみたいと話していた法師温泉の一軒宿、長寿館である。

1日目は、日光の竜頭の滝、湯滝を回り、そこから水上に向かう道中、沼田市の吹割の滝を経由し、法師温泉に向かう行程である。

日光での目的は、2つの滝をめぐることに加えて、ヤシオツツジの花を見ることだった。数年前、東大日光植物園で観たヤシオはたおやかで美しかった。今年の開花は遅れていると聞いていたのだが、中善寺金谷ホテルの庭園のヤシオも竜頭の滝の周りに群生するヤシオも、花の半分ほどが落下し、ポツポツと地上を白く染めていた。

折からの雨で水量が多く、湯滝は迫力があった。濃い緑を分けて天空から落ちてくるような錯覚にとらわれる。育ち盛りの姪は、茶屋で一服すると団子を頼み、早速頬張った。彼女のブログでは滝ではなく、団子の画像をアップするらしい。

金精峠を抜けて、片品村沼田市へと走る。片品村では、道路沿いに手打ちの十割蕎麦の看板に誘われ「みどりや」で昼食をとった。メニューに「十割蕎麦はかた目です」とのことわり書きがあったが、なるほど、大変にコシがあり、透き通るような繊細な蕎麦を好む方には不評かもしれない。天もりには、今が満開のニセアカシアの花の天麩羅が添えられていた。

さて、次に目指すは吹割の滝。賑わう土産物屋の駐車場に車を止め、滝までの階段を随分と下った。川幅は広く水は奇岩の間にすさまじい勢いで落ち込んでいく。声を失うほどのスケールだ。幾度か訪れたという両親と妹は「すごいでしょう?来て良かったでしょう?」と初めて訪れた姪と私に繰り返した。

法師温泉へ向かう林間の一本道を走る。夕刻、母の憧れの宿、長寿館に到着した。


ヤシオツツジ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%83%84%E3%83%84%E3%82%B8

東大日光植物園 http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/nikko/NikkoBG.html