初夏の味

母が「筍と蕨、そしてコシアブラをいただいた、こんなに沢山!」と嬉しそうに笑った。筍と蕨はYさんから、コシアブラは登山が趣味のOさんからだと言う。

「筍は蕨と油揚で炊こうか、筍御飯もつくろう」「コシアブラは天ぷらにして、やっぱり蕎麦をいただこう」「そうそう、春菊と独活があったね、これは酢味噌和えにしよう」

母と二人、旬の食材を前に話は尽きない。終末2日分の献立も決まり、料理の楽しさをあらためて思ったものだ。

筍は柔らかく蕨はアクが抜け、Aさんの心が感じられる。コシアブラは新鮮で天ぷらは山の香りがした。届けてくれた方の心、そして山の恵みをありがたくいただいた。