「マリー=アントワネットの画家ヴィジェ・ルブラン展」三菱一号館美術館

izaatsuyoshi2011-02-28


夕刻、そぼ降る雨に打たれながら 「マリー=アントワネットの画家 ヴィジェ・ルブラン展」のオープニングに向かう。

業種を問わずガーリーな企画が大流行の世相を反映してか、この展覧会のサブタイトルも「華麗なる宮廷を描いた女性画家たち」であり、ヴィジェ・ルブランを中心に往時の女性画家の活躍に焦点が当てられている。

昨春オープンした三菱一号館美術館はこれまでに、「マネとモダン・パリ」、「三菱が夢見た美術館」、「カンディンスキー青騎士展」と、素晴らしい展覧会を次々と展開してきた。今回の企画でもヴェルサイユ宮殿の特別協力を仰いでいる。

「ヴィジェ・ルブラン展」の出品点数は83点。フランス本国はもちろん、スイス、ロシア、アメリカなどからも招来した大掛かりの展覧会にもかかわらず、他館への巡回はない。潤沢な三菱資本に支えられているのだろう。

国内のコレクションでは、国立西洋美術館から1点、東京富士美術館から3点の出品があった。東京富士美術館は、その名の通りコレクションの裾野(幅)は存外広そうである。

ジョサイア・コンドル設計の建物は外観も内装もクラシックであり、建築様式に1世紀ほどのずれはあっても、今回の「ヴィジェ・ルブラン展」のような展示は、ここより相応しい館は日本では見当たらないだろう。

三菱一号館 http://mitsubishi-ichigokan.jp/


また本日は、「雪/曽根裕」展(メゾンエルメス8階フォーラム)の最終日であった。ガラスのブロックで囲まれたビルの会場、水晶に刻まれた人間の頭ほどの雪の結晶が点在する。溶けることが出来ない結晶たちは、淡い外光を受けうめいているように見えた。

http://www.vogue.co.jp/lifestyle/news/2010-12/14/hermes