日光椿

拙宅にて

「今年は暖冬のせいか、例年より花が美しいようです」と母は手紙を添えて、庭の椿を送ってくれた。3月から4月初旬にかけては京錦、やぶ椿、侘助、一休、月の輪、そしてこの日光椿。椿には優美な名前がつけられてのおり、それも魅力のひとつであろう。


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両親は長い歳月をかけて、11月から3月まで切れることなく茶席が彩られるよう、様々な品種の椿を集めた。そして茶友の求めがあればさしあげている。

さて、茶席の床を飾るのはつぼみであるが、開花後の花もじっくり鑑賞したいもの。椿の花芯の造形には毎々驚かされるのだから。